伊勢崎市南千木のとある角地に佇む
木のおもむきを大切にした展示場
自然素材と空間発想に高断熱を持ち合わせ、さらに快適空間にするため正圧換気のシステムをより合わせ、限りなくエネルギーを利用しないエコロジーな住まいです。
配置設計
敷地は伊勢崎市南千木町内に属し、大きな道路に交差する角地になります。南側から北に向かい自動車を走らせると、土地が全体的に見えます。
道路から自動車が走りさる音が良く聞こえるため防音対策が必要でした。>吸音性の高い断熱性能にすることで外から聞こえる音をシャットダウンしました。
外観のイメージ
南側から見たイメージは、平家に見せたいと思いました。土地は90坪程の土地なので、2階建にする必要がありました。ただし、1階南側のサッシの庇を兼ねたいため、大屋根の天井裏に2階の部屋を入れ吹ぬけも配置しました。
北側は、軒裏側が見えるため装飾を施しますが、それだけだと単調になるので北側から南に向けてケラバをななめにカットすることによって奥行きをつくることにしました。
玄関の下屋は独立させることによって、同線を明確化するとともに、昔の建物で土間に入り込むイメージをつくりました。
空間へのこだわり
住まいは長年住む場所なので、年齢を重ねるごとに家族のスタイルに柔軟に対応する必要があります。
お子様のいる方は、ほとんどがLDKで勉強をし多くの時間を過ごします。子供部屋は中学2年から入るようになり、早い方は大学生で巣立ちます。できる限り家族がリビングで過ごせる収納や一体で使用できる部屋をリビングの隣におくことにより、まんべんなく部屋を使えるようにしています。
年齢を重ねると、寝室が2階にあるのは少々億劫になってきます。1階に設けることによって、体に負荷のかからない動線にしています。
キッチンスペースは、玄関土間から入って扉がなく、そのままキッチンに入れるようになっています。これは断熱性能がなければできないものです。キッチンを中心に洗面室や脱衣室、それに寝室に気軽にアクセスできるようになっています。キッチンをコアにして、どこにでもアクセスできます。
大きな特徴
軒と春夏秋冬の関係
大屋根の単点に一階のサッシを配置し、庇を併用しています。その庇は春夏秋冬の日照をコントロールし、家の中に入る太陽光をコントロールします。軒下は最高の庭なので、大きなサッシを全開放とする設計としています。全てのサッシが壁の中に収まります。2.4メートルのサッシが壁に入ることは、大工さん泣かせでした。
室内造作ハイドアとおさまり
空気の循環を促すために、垂れ壁は設けていません。ドアを開くと、扉がないように見せています。どこに扉を隠し、そして扉があらわれた時、美しく閉まるか?をデザインとして取り入れています。
玄関ドア
使いやすい幅が広い引き戸です。木材のイメージとシルバーのキッキングプレートを入れ、夜はそのプレートに光が反射することによって、光をエントランスに拡散させます。また、幅が広いため車椅子なども余裕で通ることができます。
玄関ホールの大谷石
大谷石は色もよく、長年愛用すると色がかわる特徴があります。また、消臭効果もあり、玄関には最適な素材です。
片持ち階段
壁から段板が飛び出し、反対側は支えのない形状をしています。
猫の階段
2階のサッシを猫が覗けるように階段を設けました。天気が良い日に日向ぼっこができるようにしています。
素材へのこだわり
無垢の床と造作材
木には多くの種類があり、また硬さもあります。また蓄熱と調湿効果もあり四季折々の心地よさを表現します。とくに冬場などの蓄熱作用は昼間の暖かさを吸収すると、夜にはその熱がほんのり残っています。これはエネルギーの消費を大きく削減できる効果もあり、スマートハウスなどの技術は大切な部分だと考えたからです。また木は長年愛用できる飽きの来ないデザインを創り上げることができる最高の素材と考えたからです。
設備へのこだわり
自然素材の中に造作キッチンを入れています。強いカラーとは違った主張が見えます。本棚なども設置しモールテックスを使用し塗りのイメージと複合させています。更に色の奥深さを演出しました。
洗面化粧台
造作の良さを活かして、天板にはモールテックスを仕様し棚などは、杉材を使用しています。
ダブル断熱とトリプルサッシ・木製サッシ
外部をすっぽり包み込むダブル断熱を採用しています。外部から遮断することが外の熱に影響されにくく室内に影響を及ぼしません。
樹脂サッシと3枚ガラスで外部の熱に影響を受けづらい工夫をしています。
木製サッシは外部の熱に影響を受けにくい特徴があります。
海外の寒い国ではサッシを木製にし熱の影響を受けない手法を昔から行っています。
光へのこだわり
極力ダウンライトを使用しない、壁面にそった光を全体に行き渡らせることで室内を明るくします。
間接光の柔らかい光でリラックスできる空間にしています。
省エネへの取り組み
自然の力も昼夜の変化で快適空間を一定にできない場合があります。そこには冷房や暖房などの設備が必要です。
それらを極力消費電力負荷を軽減することによって省エネにつなげています。
性能の良い断熱材を使用し外部からの温度変化を極力影響を受けない形にしています。
高断熱サッシを使い外部の温度差を縮めるとともに、庇などで春夏秋冬日の入をコントロールしています。
熱交換器にて室内でためた温度を換気をしながら外に逃さず家の中で使用できるようにしています。
空気への配慮
「南千木の家」は全館空調を使用し基礎下から部屋のすべてにおいて空気を管理し温度差をなくしています。
- 室内のエアコンはダクトを通し床下に空気が入ることによって、部屋と同等の温度になり冬場では床を温めます。
- 室内の空気圧を外部より高くすることによって、隙間から入る外部の空気を防いでいます。
- 温かい空気は冷たいほうへ、またその逆が室内では常に発生し、実は部屋内部では常に風が吹いています。正圧換気は空気の圧力でその作用を打ち消し熱をまんべんなく隅々まで行きわたる作用があります。その正圧換気を使い、ヒートショックとは程遠い快適な空間を作り上げました。
素材から吟味し限りなくメンテナスも少ない環境負荷も極力すくなく抑え、
自然の恵みで健康的に生活できるのが、南千木の家になります。