ビルトインガレージがある2階建てを検討中で、どのような間取りにすべきか迷われている方もいるでしょう。
2階建てのガレージハウスは、敷地やガレージの広さに合わせてリビングや水回りを2階に配置するなど、間取りのバリエーションが豊富です。
そこで今回は、ビルトインガレージがある2階建ての間取り図をご紹介します。
2階建てガレージハウスの音対策や動線を考えるポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
<コラムのポイント>
- ビルトインガレージがある2階建ての間取りは、敷地を有効活用でき、平屋と比べてコストパフォーマンスが高いなどのメリットがあります。
- ガレージの上に部屋をつくる場合は、断熱性や音などに配慮した設計がポイントです。
- ビルトインガレージの実績と提案力があるハウスメーカーに相談し、暮らしやすい2階建てのガレージハウスを建てましょう。
Contents
ビルトインガレージとは
「ビルトインガレージ」とは建物の中にあるガレージのことで、「インナーガレージ」と同じ意味の言葉です。
通常のガレージでは、居住スペースまで行くときに1度外に出る必要がありますが、ビルトインガレージなら直接室内に行くことができます。
ビルトインガレージ・インナーガレージがある家は「ガレージハウス」と呼ばれます。
2階建てのビルトインガレージを採用するメリット・デメリット
2階建てのビルトインガレージを建てるメリット・デメリットをご紹介します。
2階建てビルトインガレージのメリット
ビルトインガレージつきの2階建てを採用するメリットをご紹介します。
- 1階がガレージなら2階の足音が気にならない
- 敷地面積を有効活用できる
- 外観デザインがすっきりまとまる
- コストパフォーマンスに優れる
2階建ての住まいは、上階の足音が気になりやすいというデメリットがあります。
しかし、下の部屋がビルトインガレージなら、2階の足音が気になりません。
平屋にビルトインガレージをつくるケースと比較すると、敷地が有効利用できる点やスタイリッシュな外観デザインをつくりやすい点も2階建てのメリットです。
また、平屋と比べて基礎・屋根面積を抑えられる2階建てのガレージハウスは、コストパフォーマンスにも優れます。
2階建てビルトインガレージのデメリット
ビルトインガレージつきの2階建てを採用するデメリットを確認しましょう。
- 上の部屋に音や冷気が伝わりやすい
- より耐震性を考慮した設計が必要
ビルトインガレージがある2階建ての間取りは、上の部屋に音や冷気が伝わりやすい点がデメリットです。
上の部屋の用途を工夫したり、断熱性・防音性にこだわる必要があります。
また、2階建てのガレージハウスは上からの荷重がかかるため、平屋と比べてより耐震性を考慮した家づくりをしなければなりません。
特に、2台・3台分の広いビルトインガレージをつくる際には、耐震性確保の難易度が上がります。
詳しい注意点や対策は後ほどご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
ビルトインガレージがある2階建ての間取り図8選
ビルトインガレージがある2階建ての間取り図をご紹介し、ポイントを解説します。
①【1~2人家族向き】2階リビングのガレージハウス
1F
オフィス兼自宅の2階建ての住まいです。
1階部分はビルトインガレージと事務所、水回りなどを採用しました。
フロアの中央に階段を配置して、どこからでも2階に行きやすいような動線の工夫を取り入れています。
2F
2階にはメインの居住スペースを配置しました。
1人暮らしの場合は、ビルトインガレージがあっても音の問題が発生しないため、比較的自由度の高い間取りづくりが可能です。
日当たりや利便性の高い動線を優先した間取りを検討しましょう。
②【2~3人家族向き】2階に水回りを配置したガレージハウス
1F
幅広のゆとりあるビルトインガレージがある2階建ての住まいです。
1階部分はガレージの他に、LDKとトイレ、洗面台を配置しました。
2F
2階に水回りを配置した分、利便性の高い間取りづくりにこだわりました。
洗面脱衣所に室内物干しをつけ、ホールも広めに確保したため、洗濯物を「洗う・干す・しまう」の流れを2階で完結できます。
③【2~3人家族向き】2台分のビルトインガレージがある2階建て
1F
2台分のビルトインガレージがある広々とした2階建ての住まいです。
ビルトインガレージと室内は直接つながず、音や排気ガスが気になりにくい間取りを採用しました。
2F
ガレージ上はバルコニーにして、2階もエンジンやシャッターの音が気になりにくい工夫を取り入れています。
大きな吹き抜けをつけ、2階建てならではの開放感のある空間づくりにこだわりました。
▷関連コラム:車2台分のガレージハウス実例と間取りのポイント
④【2~3人家族向き】ビルトインガレージ付き縦長の2階建て
1F
細長い敷地に対応した、コンパクトな2階建てのガレージハウスです。
ガレージと玄関ホールの間に引き戸をつけて、直接室内へ行けるような動線を確保しました。
玄関ホールに小さな手洗いをつけたため、帰宅後や車のメンテナンス後に手洗いができます。
2F
水回りは2階に配置して、上下階の広さのバランスを取りました。
間口が狭いコンパクトな土地でも、ビルトインガレージを採用することで、敷地内に駐車スペースを確保することが可能です。
⑤【2~3人家族向き】テラス付きビルトインガレージがある2階建て
1F
ビルトインガレージの奥にテラスを採用した2階建ての住まいです。
テラスはダイニング・キッチンとつながるため、アウトドアリビングとして活用することもできます。
2F
ビルトインガレージの上はバルコニーにして、音対策と2階からの荷重を軽減させています。
玄関上もバルコニーにして凹凸をつくり、立体感のあるかっこいい外観に仕上げました。
⑥【3~4人家族向き】2台分のガレージがある2階建て
1F
2台分の駐車スペースとテラスをつくった、広々としたビルトインガレージがある住まいです。
テラスに窓が付いており、キッチンダイニングと行き来できます。
2F
ビルトインガレージの上は、約21畳の広々としたバルコニーにしました。
ガレージの上をバルコニーにすることで、プライバシー性の高い屋外空間が確保でき、暮らしの幅が広がります。
⑦【3~4人家族向き】オープンガレージがある2階建て
1F
2台分のオープンガレージを採用した2階建ての住まいです。
オープンガレージは壁で囲まれておらず、シャッターも付けないため、2階への音の影響を軽減できます。
2F
オープンガレージ以外の部分に2階をつくりました。
ガレージ部分は2階からの荷重がないため、耐震性を確保しやすくなります。
⑧【3~4人家族向き】バイク用のビルトインガレージがある間取り
1F
1階にバイクガレージがある間取りです。
ガレージの出入り口はシャッターだけなので、居住空間とは切り離したプライバシー性の高い空間をつくることができます。
ビルトインガレージには書斎とトイレを隣接させ、自分時間を楽しめる趣味スペースにしました。
2F
1階に寝室やクローゼットを配置したため、2階は必要最低限のコンパクトな間取りです。
ガレージ上は屋根になっているため、音や耐震性などのデメリットも対策できています。
▷関連コラム:バイクガレージハウスで暮らす方法|間取り実例やポイントも紹介
その他の間取り図はこちらのコラムでもご紹介しています。
平屋や3台分のビルトインガレージも掲載していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
2階建てガレージハウスの間取りづくりのポイント
2階建てのガレージハウスの間取りをつくる際のポイントをご紹介します。
メインの居住スペースを1・2階のどちらにするのか考える
ビルトインガレージつきの2階建てを建てるなら、メインの居住スペースを1・2階のどちらにするかを考えましょう。
動線を考えると1階の方が利便性が高いですが、敷地や予算の兼ね合いで水回りやLDKを2階に配置しなければならないケースもあります。
敷地の状況やライフスタイルを考慮しながら、1・2階にどの空間を配置するのか検討してみてくださいね。
2階リビングにするなら動線を工夫する
ビルトインガレージを1階につくり、2階リビングを採用するなら、暮らしやすい動線を検討することが大切です。
例えば、ガレージから室内に入ってすぐに階段があれば、最短距離で2階に行くことができます。
また、玄関ホールを吹き抜けにして2階のLDKとつなげれば、リビングにいる家族へ声掛けしやすいです。
2階リビングの不便さをなるべく軽減させるような、間取りや動線を取り入れてみてくださいね。
上の部屋の音・断熱対策をする
2階建てのガレージハウスは、上の部屋の音や断熱対策をすることが大切です。
デメリットでもご紹介した通り、ビルトインガレージの真上の部屋は音が響きやすく、ガレージ内の冷気が床から伝わりやすいという特徴があります。
ビルトインガレージの真上はバルコニーや収納にしたり、床下の断熱材を適切に施工するなどの対策が必要です。
詳しくはこちらのコラムで解説していますので、参考にしてみてくださいね。
▷関連コラム:ビルトインガレージの上に部屋をつくるメリット・デメリット|断熱性や風水など気になるポイントも
耐震性を考慮する
2階建てのガレージハウスを建てるなら、上の階からの荷重を考えた家づくりをする必要があります。
特に、車を複数台停められる広い空間にする場合、ガレージ内に耐力壁を立てて耐震性を確保するなどの工夫が必要です。
空間の広さによっては、ガレージ部だけ鉄骨造を採用するなどの方法もあります。
住宅会社に耐震性を確保するためにどのような対策をしているか確認し、納得した上でビルトインガレージがある2階建てを採用しましょう。
おしゃれなビルトインガレージがある2階建ての施工事例
おしゃれな2階建てのガレージハウスの実例をご紹介します。
黒・白のタイル、木製外壁でコーディネートした、モダンな外観の住まいです。
ビルトインガレージには3台の愛車を停めることができます。
ガレージ内には2つの扉をつけ、玄関ポーチとLDKへの動線を確保しました。
リビングは2階建ての高さを活かして、大きな吹き抜けを取り入れました。
高い位置の窓から明るい光が差し込む開放的な空間です。
ダイニング横にある窓からは、ビルトインガレージを眺めることができます。
ビルトインガレージの隣に階段を配置して、朝起きて1階に降りるとすぐにお気に入りの愛車が目に入るようにしました。
居住スペースにいても常に愛車を感じられる、こだわりの間取りを取り入れた2階建てのガレージハウスです。
まとめ
ビルトインガレージがある2階建ては、音や断熱、動線などを工夫することで暮らしやすい住まいにできます。
敷地の広さや形状、建築予算などの兼ね合いも考慮しながら、2階にリビングや水回り間取りを検討することがポイントです。
ビルトインガレージの施工実績が豊富な住宅会社に相談し、ライフスタイル合った2階建てのガレージハウスを採用しましょう。
ハグデザインは、ビルトインガレージの施工実績が多数あり、一級建築士が使いやすさ・デザイン性にこだわった空間提案をしております。
暮らしやすい2階建てのガレージハウスの間取りを知りたいという方も、ぜひお気軽にご相談くださいね。