ビルトインガレージの内装仕上げのコツ|建築基準法の「内装制限」に注意

ビルトインガレージを採用するなら、愛車が映えるようなおしゃれな内装にしたいですよね。

内装の仕上げ材にこだわることで、デザイン性が高まるだけでなく、機能的で使い勝手が良いビルトインガレージをつくることができます。

ただし、ビルトインガレージは「内装制限」が適用されるため、採用する内装材選びに注意しましょう。

 

そこで今回は、建築基準法の「内装制限」について解説し、ビルトインガレージの内装仕上げのコツをご紹介します。

ビルトインガレージの内装にこだわりたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

<コラムのポイント>

  • 車やバイクはガソリンから発火するリスクがあるため、ビルトインガレージは内装制限が適用されます。
  • ビルトインガレージの壁・床の仕上げ材には、燃えにくい「準不燃材料」を採用しなければなりません。
  • 内装制限をクリアしつつ、おしゃれで使い勝手の良い内装のビルトインガレージに仕上げましょう。

 

 

ビルトインガレージのメリット・デメリット

ビルトインガレージ

ビルトインガレージとは、建物と一体化したガレージのことです。

メリット・デメリットをそれぞれ確認しましょう。

 

メリット

ビルトインガレージのメリットをご紹介します。

  • 盗難やいたずらから愛車を守れる
  • 愛車が紫外線や雨にさらされない
  • 雨が降っていても濡れずに車まで行ける
  • 居住スペースへの動線を短縮できる
  • 駐車以外の用途でも使える
  • 外観や内装のデザイン性を高められる

 

ビルトインガレージは愛車を守れるのはもちろんのこと、居住スペースへの動線を工夫することで暮らしの利便性を高められる点が大きなメリットです。

ライフスタイルに合わせて、ビルトインガレージを趣味・ワークスペースなどで使うこともできます。

大きなシャッターを外観のアクセントにしたり、室内から愛車を眺められるようにしたりと、住まいのデザイン性を高められる点もビルトインガレージの魅力です。

 

デメリット

ビルトインガレージのデメリットも確認しましょう。

  • エンジンやシャッターの音が気になる
  • 排気ガスが気になる
  • 居住スペースが圧迫されることがある
  • 建築費が高くなる

 

居住スペースと隣接しているビルトインガレージは、エンジンやシャッターの音が気になることがあります。

上の部屋をバルコニーや収納にする、遮音材を採用するなどの対策を検討しましょう。

 

また、換気計画が不十分だとビルトインガレージ内に排気ガスが溜まりやすくなるため注意が必要です。

ビルトインガレージをつくることで、居住スペースが狭くなったり建築費が高くなったりするケースもあります。

空間全体の広さや建築費とのバランスを考えながら、ビルトインガレージをつくることが大切です。

 

メリット・デメリットと対策はこちらのコラムを参考にしてみてくださいね。

▷ビルトインガレージのメリット・デメリットと対策

▷ビルトインガレージの後悔例と対策|音・費用・使い勝手など

 

ビルトインガレージは建築基準法の「内装制限」に注意

ビルトインガレージの内装制限

ビルトインガレージの内装を検討する上で、避けて通れないのが「内装制限」です。

 

  • 内装制限:火災の拡大や煙の発生を防ぐために、壁や天井の仕上げ材に燃えにくいものを使うという制限

 

(特殊建築物等の内装)
第三十五条の二別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物、階数が三以上である建築物、政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物、延べ面積が千平方メートルをこえる建築物又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたものは、政令で定めるものを除き、政令で定める技術的基準に従つて、その壁及び天井(天井のない場合においては、屋根)の室内に面する部分の仕上げを防火上支障がないようにしなければならない。

引用元:建築基準法 | e-Gov 法令検索

 

特殊建築物に含まれる「自動車車庫」に、ビルトインガレージも該当します。

車やバイクを停めているビルトインガレージは、一般的な居住スペースと比べて火災発生のリスクが高いと考えられているからです。

そのため、ビルトインガレージの内装仕上げ材を選ぶ際には、内装制限を考慮した設計をしなければなりません。

 

ビルトインガレージの壁・天井に「準不燃材料」を選ぶことが、自動車車庫の内装制限の具体的な内容です。

準不燃材料とは国土交通大臣の認定を受けた材料で、10分間は不燃性能が継続することが要件になっています。

 

五 準不燃材料 建築材料のうち、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後十分間第百八条の二各号(建築物の外部の仕上げに用いるものにあつては、同条第一号及び第二号)に掲げる要件を満たしているものとして、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。

引用元:建築基準法施行令 | e-Gov 法令検索

 

準不燃材料として認められている内装仕上げ材の一例を確認しましょう。

 

<準不燃材料の例>

  • 石膏ボード(厚さ9mm以上)
  • 木毛セメント板(厚さ15mm以上)
  • 硬質木片セメント板(厚さ6mm以上)

 

ちなみに、火は下から上へ燃え上がる性質なので、ビルトインガレージの床には制限がかかりません。

 

ビルトインガレージの内装仕上げのコツ

ビルトインガレージの壁材

ビルトインガレージの内装材選びのコツと、おしゃれで使い勝手を良くする仕上げ方をご紹介します。

ご紹介する内容は、準不燃材料を採用することを前提としていますので、ご承知おきください。

 

壁材

ビルトインガレージの壁は、愛車を引き立たせるシンプルな色味がおすすめです。

あくまでも愛車が主役の空間ですので、柄などは取り入れず、色の変化でアクセントを取り入れるとおしゃれに仕上がります。

車の買い替えなども想定して、モノトーン・ベージュ・ネイビーなど、様々なボディカラーに対応しやすい壁の色を選びましょう。

 

天井

天井はシンプルな内装材を選んでも良いですし、アクセントを取り入れてもかっこいいデザインになります。

アクセントを取り入れる場合は、単色や木目調などの主張が激しくない色・柄を取り入れ、愛車が映えるように意識しましょう。

 

床はコンクリート仕上げが一般的ですが、デザイン性や機能性にこだわるなら、異なる仕上げ材を取り入れることをおすすめします。

 

下の画像は、タイルで床を仕上げたビルトインガレージです。

タイル床のビルトインガレージ

タイルは色・柄のバリエーションが豊富で、高級感のある内装に仕上げることができます。

また、愛車を長期間保管してもタイヤが変形しにくい点も特徴です。

 

光沢感のある床が理想ならクターフロアをおすすめします。

ドクターフロアのビルトインガレージ

照明に床が反射し、まるでショールームのようなビルトインガレージに仕上がります。

ドクターフロアは、コンクリートの表面を保護する機能があるため、タイヤ痕などが付きにくい点も魅力です。

 

採用したいデザインに合っていて、機能性にも満足できる床材を選びましょう。

 

照明

ビルトインガレージは、照明にこだわることでよりおしゃれで使い勝手のいい空間に仕上がります。

次の3つの目的を意識しながら、照明計画を考えることがポイントです。

 

  • 車を魅せる:スポットライトなどの集光タイプの照明で愛車に光を当てる
  • 作業しやすくする:ビルトインガレージ全体を明るく照らせる照明を選ぶ
  • 安全性を確保する:夜間の乗り降りなどがしやすいように足元を照らす

 

ビルトインガレージに調光・調色ライトや間接照明を採用することで、室内から見たときのデザイン性を高めることも可能です。

また、帰宅時などにスイッチ操作が手間になるケースもあるため、必要に応じてセンサーライトを採用しましょう。

 

収納

ビルトインガレージをおしゃれで使い勝手良くするために、収納も検討しましょう。

飾り棚やニッチを採用し、お気に入りのインテリアなどを飾ることで、内装のデザイン性が高まります。

また、工具などを収納できる造作収納は利便性が高く、ビルトインガレージ内を整理整頓しやすいです。

 

ドア

ビルトインガレージと居住スペースをつなぐドアのデザインにもこだわりましょう。

空間全体に対してドアが占める面積は大きくないため、インパクトのある色を取り入れても問題ないケースが多いです。

 

こちらの事例では、玄関ポーチへ続くドアに赤色を採用しました。

赤色のビルトインガレージのドア

シックな色合いのビルトインガレージの内装に赤いドアが映え、非日常感のある空間になりました。

赤の愛車とも統一感があり、空間全体のデザイン性が高まっています。

 

居住スペースとつながる空間は、ガラスドアもおすすめです。

ビルトインガレージのガラスドア

ガラスドアは目線が通るため、ビルトインガレージを眺める窓代わりにもなります。

全体のカラーバランスやドアを施工する場所などを踏まえて、デザインを選んでみてくださいね。

 

シャッター

ビルトインガレージはシャッターのデザイン性や色にもこだわりましょう。

素材や商品によってシャッターの内観色は異なり、白や黒、シルバーなど様々なバリエーションがあります。

ビルトインガレージのシャッターは、外から見たときのデザインにこだわりがちですが、室内側から見たときの見栄えも意識してみてくださいね。

 

室内とのつながり

ビルトインガレージとダイニング

建物と一体となったビルトインガレージを建てるなら、居住スペースとの内装の統一感を持たせることもポイントです。

例えば、かっこいいガレージと可愛らしい内装の居住スペースだと、室内から見たときに違和感を感じることもあります。

内装の色味などはあえて違いをつけた方がメリハリがつきますが、全体のデザインテイストは統一させましょう。

ビルトインガレージは、屋外と室内のどちらともつながりのある空間なので、外観・内装の両方を意識したデザイン選びが大切です。

 

<ビルトインガレージの施工事例>

・デザインガレージ+最高の断熱性能と省エネ性能

・バイクと映画鑑賞のガレージハウス

 

ガレージハウスは間取り・外観にもこだわりを

おしゃれなガレージハウスの外観

ガレージハウスは内装だけでなく、間取りや外観デザインにもこだわりましょう。

ビルトインガレージと居住スペースのつながりを考えた間取りや便利な動線をつくることで、暮らしやすい住まいになります。

また、シャッターを活かして外観デザインを考えることで、存在感やインパクトのあるかっこいい家にすることが可能です。

 

ビルトインガレージの間取りや外観のポイントは、こちらのコラムで解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

▷関連コラム:おしゃれなガレージハウスの実例|外観・内装・間取り・収納づくりのコツを徹底解説

 

まとめ

ビルトインガレージは内装の仕上げ方にこだわることで、おしゃれで使い勝手が良い空間に仕上げることができます。

また、ビルトインガレージの壁・天井は準不燃材料を使って、内装制限の基準を満たすことが必須です。

ガレージハウスの施工実績が豊富な住宅会社に相談し、マイホームのビルトインガレージに適した内装仕上げ材を提案してもらいましょう。

 

ハグデザインはビルトインガレージの施工実績が多数あり、一級建築士によるお客様の暮らしを考えた空間提案をしております。

デザイン性・使い勝手にこだわったガレージハウスの内装作りも得意としておりますので、ぜひお気軽にお声がけくださいね。

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