愛車を所有している方にとって、ビルトインガレージのある住まいは魅力的ですよね。
しかし、実際にビルトインガレージを採用した方の中には「作らなければよかった‥」と後悔したという意見も。
そこで今回は、ビルトインガレージに対する具体的な後悔事例と対策を解説します。
事前に後悔するポイントと解決方法を知り、ご自身のガレージハウスづくりにお役立てください。
<コラムのポイント>
- ビルトインガレージを採用した方の中には、音・費用・使い勝手など様々なことが原因で後悔しているという意見もあります。
- 事前に後悔事例と対策を知っておくことで、満足度の高いビルトインガレージを建てることが可能です。
- 後悔しないビルトインガレージづくりは、施工実績の多い会社に依頼することもポイントなので、住宅会社選びからこだわってみてくださいね。
Contents
ビルトインガレージで後悔する理由
ビルトインガレージは愛車を雨風や盗難・いたずらから守ることができ、車の乗り降りもしやすくて便利など、さまざまなメリットがあります。
しかし、居住空間と駐車スペースが近くなることで、音・ニオイなどの課題も生まれやすく、中には採用して後悔するケースも。
これまで賃貸やマンションなどで暮らしていた方は、ビルトインガレージの住まいをイメージしにくいですよね。
ビルトインガレージの間取りで注意すべきポイントが理解しにくい点も、後悔が生まれやすい理由でしょう。
マイホームにビルトインガレージを取り入れたいなら、デメリットや後悔しやすいポイントを事前に把握することが大切です。
そして、設計時からしっかり対策することで、暮らしやすいビルトインガレージの間取りをつくるのは難しくありません。
実際にビルトインガレージを建てた方が後悔した事例と、対策を1つずつ確認していきましょう。
ビルトインガレージの後悔例と対策
ビルトインガレージで実際に起こり得る後悔事例を紹介し、対策をお伝えします。
①シャッターの作動音がうるさい
ビルトインガレージは、車が出入りできる幅広いシャッターを施工します。
朝・夜など静かな時間帯はシャッター音が響きやすく、開閉する音がうるさくて目が覚めてしまうという後悔事例も。
仕事などで、早朝・深夜にビルトインガレージのシャッターを開け閉めする場合は注意が必要です。
マイホームに暮らしている家族だけでなく、近隣住民にも迷惑をかけてしまいますので対策を考えましょう。
【対策】シャッターの種類にこだわる
シャッターは種類や仕様にによって、作動音に大きな違いがあります。
例えば、手動よりも電動シャッターの方が静かです。
また、巻き上げのシャッターよりも、天井に沿って上がっていくオーバースライダーの方が静音性は高いでしょう。
シャッターは、デザイン性・操作性などに加えて、操作音にも注意して選んでみてくださいね。
②エンジンや出入りの音がうるさい
ビルトインガレージと寝室を近づけたら、車が出入りする際のエンジン音がうるさかったという後悔事例も。
冬場は車内を暖めておくために、早めにエンジンをかけておいたら、室内に音が響いて気になったという方もいます。
【対策】ガレージと居住空間の位置関係を確認
早朝・深夜に車を使うなら、ガレージと居住空間の位置関係を確認しましょう。
特に、寝る空間である寝室や子ども部屋などは、ビルトインガレージから離して配置することをおすすめします。
間に納戸や土間収納などを挟むだけでも、音によるストレスは大きく軽減できるでしょう。
さらに、ガレージと居室間の壁内に断熱材や遮音材を入れる方法も効果的です。
ビルトインガレージと隣接する部屋の、防音対策にもこだわってみてくださいね。
③排気ガスが気になる
ビルトインガレージ内でエンジンを掛けておくと、排気ガスのニオイが気になるという意見も。
さらに、暖気の排気ガスによってガレージの壁やシャッターが汚れたり、最悪の場合は居室スペースの壁まで黒ずんでしまうことも。
排気ガスは計画的に換気できないと、一酸化炭素中毒を引き起こすリスクもありますので注意が必要です。
【対策】換気扇を付ける
ビルトインガレージの排気ガス対策は、個別の換気扇を施工する方法が効果的です。
窓を開けても風がなければ空気は流れにくいので、換気扇を付けて強制的に入れ替えることをおすすめします。
また、ガレージと居室の間にある扉・窓はなるべく気密性の高いものを選び、排気ガスが流れ込まないようにしましょう。
④狭くて使い勝手が悪い
車を置く最小限のスペースだけのビルトインガレージにしたら、狭くて使い勝手が悪かったという後悔事例です。
予算や敷地の関係でコンパクトなガレージにするケースもありますが、乗り降りや愛車のメンテナンスがしにくく不便に感じることもあるため注意しましょう。
【対策】使い方をシミュレーションしてサイズや収納スペースを考える
車を乗り降りして荷物を出し入れするシーンをシミュレーションして、車の前後左右の幅を確保することが大切です。
ガレージ内でメンテナンスもしたいなら、用具やスペアタイヤなどの置き場もつくることでストレスなく作業できます。
作業内容によっても必要な広さは異なるため、具体的にイメージしながら広さを計画しましょう。
実際にガレージハウスの施工事例を見たり、見学会に参加したりして、広さの感覚を掴むこともおすすめします。
▷関連コラム:群馬県のガレージハウス基礎知識|おしゃれな施工事例も紹介
⑤室内への動線が悪い
ビルトインガレージと室内をつなぐ動線が悪くて後悔したという事例もあります。
1度ガレージの外に出ないと玄関に行けなかったり、ガレージから室内へ行くのに大きく回り込むような動線だったりすると、使い勝手が悪くて不便です。
せっかく建物とつながるビルトインガレージをつくるなら、室内との行き来がしやすいような動線を考えましょう。
【対策】家事・生活動線をシミュレーション
ガレージを使うシーンを全てシミュレーションして、使いやすい動線をつくることがポイントです。
例えば、次のように考えることでガレージを近づけるべき空間が見えてきます。
ガレージを使うシーン | 理想的な間取り |
---|---|
お子さまを送り迎えする | シューズクロークが近いとお出かけがスムーズ |
買い物から帰ってきて荷物を冷蔵庫にしまう | キッチンやパントリーが近いと負担が少ない |
趣味部屋として使う | トイレが近くにあった方が長時間使いやすい |
お子さまやペットが遊ぶ | 洗面脱衣所・浴室が近いと汚れてもすぐに洗える |
すべての空間をガレージと隣り合わせにすることは難しいため、優先順位を考えながら動線を考えてみてくださいね。
⑥車の買い換えが制限された
今の車のサイズに合わせてビルトインガレージをつくったら、買い替え時に選べる車種が制限されたという事例です。
後から大きい車、背の高い車に買い替えられなくて後悔するケースも少なくありません。
また、1台分しかガレージがない場合は、増車も難しいでしょう。
【対策①】将来を見据えてガレージの広さを決める
建築時の車の台数やサイズだけでなく、買い替えや増車も見据えてビルトインガレージの広さを決めましょう。
お子さまの成長やライフスタイルの変化などによって、必要な車種や台数は異なるため、数十年暮らすことを前提で考えることをおすすめします。
今は車が1台しかなくても2台分のガレージにしておけば、お子さまが遊んだり趣味スペースにできたりと、ほかの用途にも使うことが可能です。
2台分のガレージハウスについては、こちらのコラムを参考にしてみてくださいね。
▷関連コラム:車2台分のガレージハウス実例と間取りのポイント|よくある後悔と対策も解説
【対策②】カーポートも併用する
ビルトインガレージを広くするのが難しいなら、敷地に余裕をつくっておいて、2台目以降はカーポートで対応するのも1つの対策です。
カーポートは条件を満たせば延床面積に参入されないため、将来的に増設する場合も計画しやすいでしょう。
敷地に余裕があれば車のサイズにも対応できますし、2台分のビルトインガレージと比べて費用も抑えることもできます。
⑦居住空間や収納スペースが圧迫された
1階に広いビルトインガレージを採用した結果、居住空間や収納スペースが圧迫されてしまうケースは少なくありません。
居住空間が狭いと暮らしの快適性は下がりますし、収納が足りないとさらに部屋が狭く感じてしまいます。
延床面積や敷地面積によっては、広さを確保するために2階リビングになり、上り下りが大変で後悔するケースも。
今だけでなく、老後はさらに負担を感じやすくなりますので注意しましょう。
【対策①】間取り全体のバランスを考える
ガレージありきで間取りを考えるのではなく、建物全体のバランスを見ながら間取りづくりをすることが重要です。
ただし、広すぎるガレージでは居住空間が圧迫されるからと言って、狭すぎるガレージにすると使いにくくなるため注意しましょう。
土地の広さや予算との兼ね合いもあるため、ガレージの実績が豊富なハウスメーカーへの相談をおすすめします。
【対策②】ガレージをほかの用途に活用する
ガレージをほかの用途でも使えるような間取りづくりをする方法もあります。
例えば、ガレージの一部を収納にして使用頻度が低いものをしまえば、居室側の土間収納は最低限で済みます。
さらに、ガレージ内の収納棚の一部をカウンターにして、趣味や在宅ワークの書斎にすることで、個室を1つ減らすことが可能です。
このように、複数の用途で使えるビルトインガレージをつくることで、居住空間や収納量とのバランスを取りやすくなります。
多用途な空間にした結果、ガレージを広くしすぎたということがないように、バランスを考えながら調整してみてくださいね。
⑧予算オーバーしてしまった
ビルトインガレージを採用したら予算オーバーしてしまい、月々の返済が負担になって後悔しているという事例です。
ガレージは内装の仕上げやシャッター、耐震性の確保など、一般的な居室をつくるよりも費用が多めにかかります。
結果的に追加費用を出して、ガレージを採用したというケースも少なくありません。
【対策】最初に予算を決める
注文住宅の予算は土地・間取り・設備などさまざまな要因で変動するため、最初に予算を決めることが大切です。
ビルトインガレージがあることで暮らしの質は上がりますが、返済が大変になってガレージを楽しむ余裕がなくなってしまったら意味がありません。
予算が明確になることでビルトインガレージが実現できるのか、どのような間取りが検討できるのか判断できますので、信頼できる住宅会社に相談しながら資金計画を立てましょう。
⑨固定資産税が高い
建物の固定資産税は建築価格の70%を目安に算出されるため、ガレージをつくることで負担が大きくなるケースも。
固定資産税は毎年かかるランニングコストなので、長く暮らすほど負担になって後悔したという意見も中にはあります。
【対策】事前に固定資産税を確認
あらかじめ固定資産税の目安を把握しておき、ランニングコストに組み込んでおきましょう。
新築のうちは軽減措置を活用できるため、ガレージをつくるからと言って負担が大きくなるとは限りません。
良質な住宅の建設を促進し、居住水準の向上及び良質な住宅ストックの形成を図るため、新築住宅にかかる固定資産税を3年間(マンション等の場合は5年間)、2分の1に減額します。
(適用期限:令和8年3月31日)
ちなみに、車庫は延べ床面積の1/5までは容積率に算入しないという緩和特例がありますが、ビルトインガレージの固定資産税とは無関係です。
混同しないように注意しましょう。
ビルトインガレージの後悔を防ぐハウスメーカー選び
ビルトインガレージを採用して後悔しないために、ここまで挙げたポイントを1つずつ対策してみてくださいね。
ただし、もっとも大切なポイントはプロ目線でのアドバイスやサポートを受けられるように、ビルトインガレージの施工実績が豊富なハウスメーカーを選ぶことです。
満足度の高いビルトインガレージをつくれるよう、ハウスメーカー選びからこだわりましょう。
ハグデザインは、ビルトインガレージの施工実績が多数あり、一級建築士が使いやすさ・デザイン性にこだわった空間提案をしております。
居住スペースとのバランスや音・ニオイ問題など、暮らしの質に左右する点を考慮しながら間取りをプランニングしますので、ぜひお気軽にご相談くださいね。