マイホームづくりでは、ついつい建物の打合せを優先してしまい、外構工事は住みながら計画するケースも少なくありません。
しかし、住みながら外構工事をすることで問題やリスクはないのでしょうか。
今回は、住みながら外構工事をするメリット・デメリットと注意点を紹介します。
外構工事をするタイミングを迷っている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
<コラムのポイント>
- 新築住宅の引渡し後に住みながら外構工事をするケースは多く、入居時期を早めたりじっくり外構計画を立てられたりするメリットがあります。
- 一方で、外構を後回しにすることで不便さを感じることや防犯面・プライバシー面のリスクもあり、予算オーバーになりやすいというデメリットも。
- 住みながら外構工事をする場合でも、建物と同時進行で外構計画を立てることをおすすめします。
Contents
引き渡し後、住みながら外構工事はできる?
結論からお伝えすると、新築住宅の完成・引き渡し後に住みながら外構工事を進めることは可能です。
実際に、引き渡し後に外構工事をするケースも少なくありません。
引き渡し後の外構工事にはメリット・デメリットどちらもあります。
外構工事が終わってから引っ越すか、引き渡し後に外構工事をするか、どちらが良いかはケースバイケースです。
住みながら外構工事をするメリット・デメリットを、次の章から1つずつチェックしていきましょう。
新築に住みながら外構工事をするメリット
▷施工事例:低アレルゲンを徹底的に盛り込んだ最高の健康デザイン住宅
マイホームに住みながら外構工事をするメリットを紹介します。
早めに入居できる
入居後に外構工事をすることで、引き渡しの時期を早めることができます。
マイホームに早く入居できるメリットは次の3つです。
- 現在の住まい(賃貸)の家賃負担を減らせる
- 住宅ローンの返済を早く開始できる
- 入園・入学などのタイミングに間に合うケースも
何よりも、住み心地の良いお気に入りのマイホームに早く住めるということは、大きなメリットですよね。
新築の外構工事は数週間かかるケースが多いため、その分早めに引っ越しできます。
明確な入居希望日があり、外構工事をしていると期限に間に合わない場合は、引き渡し後にすることが多いです。
時間をかけてじっくり計画できる
引っ越し後に外構工事をするなら、期限がないのでじっくりと外構計画を建てられる点も大きなメリットです。
引渡しまでに建物・外構工事まで終わらせる場合、打合せ内容が多く時間も限られます。
住みながら外構工事をするなら、自分達のペースでゆっくりと計画することが可能です。
時間をかけてこだわりの外構にしたいなら、引き渡し後に住みながら計画するのも1つの考え方でしょう。
業者の選択肢が多い
マイホームの引渡しを受けた後なら、外構工事を依頼する業者の選択肢が多いのも魅力的なポイントです。
基本的に、引渡し前に外構工事を依頼する場合、ハウスメーカーの外構部門や提携会社に工事を任せます。
ハウスメーカーと関係のない業者が引渡し前に現場に入ると、トラブルの際に責任問題の所存がわからなくなる可能性があるからです。
引き渡し後ならこのような制限はなくなるため、ハウスメーカーや工務店以外の外構専門業者にも相談しやすくなります。
複数の外構業者に相談し、相見積もりで適正価格を見極めやすい点もメリットです。
完成形をイメージしやすい
実際に住みながら外構工事をすることで、建物と敷地の使い勝手を確認しながら計画できるのもメリットです。
建物が完成した状態で外構プランを考えられるのでイメージがつきやすく、トータルコーディネートでおしゃれに仕上げやすくなります。
またデザイン面の他にも、次のようなメリットがあります。
- 家の中から見た景色を考慮して外構計画を立てられる
- 日当たりを考慮して植栽や花壇の位置を決められる
- 周囲から建物の見え方が確認できる
- 駐車場の使い勝手を事前に体感できる
実際に住みながら確認することで、採光性やプライバシー性、使い勝手などにより配慮した外構を作ることができます。
外構ができていく過程を毎日チェックできるので、現場にいる職人さんに細かい要望を伝えやすく、クオリティも高めやすいです。
新築に住みながら外構工事をするデメリット
マイホームに住みながら外構工事をするデメリットやリスクを解説します。
敷地や家の中が丸見えになる
外構をしていないと目隠しになるものがないため、敷地や家の中が丸見えになる可能性があります。
通行人から、家の中や庭の様子が見えるため、プライバシーが保たれません。
また、敷地を囲うフェンスなどがないと、不審者などが敷地に侵入しやすくなるというデメリットも。
住み始めてから外構が完成するまでは、防犯性やプライバシー性においてリスクがある点を理解しておきましょう。
外構工事期間中の生活が不便
引き渡し後に住みながら外構工事をする場合、完成するまでの生活が不便な点も大きなデメリットです。
敷地が泥の状態の場合、雨が降るとぬかるんで車が出せなくなることもあります。
また、駐車場を土間で仕上げるなら、コンクリートを流してから固まるまでに1週間前後かかるため、その間は車を停めることができません。
準備期間も含めると数週間は車を停められないケースもあり、駐車場を借りる場合は手間と費用が発生します。
外構工事期間中は庭を使えず、作業によっては大きな音も出るため、生活に影響が出るケースも。
小さなお子様やペットがいるご家庭では、足元が悪くてケガをするリスクも高まります。
予算オーバーする可能性がある
建物が完成してから外構計画を立てると、思ったより費用がかかり予算オーバーするケースも少なくありません。
外構は一軒ごとのオーダーメイドプランになるため、敷地の状況や求めるデザインによって費用が大きく変動します。
工務店やハウスメーカーに外構も相談すると、建物と外構の費用バランスを考えられるので予算オーバーを防ぐことができます。
引き渡し後に住みながら外構をする場合でも、プランや見積もりは建物と一緒に進めるのが望ましいでしょう。
外構費用を住宅ローンに組み込めない
住み始めてから期間が空いてから外構工事をする場合、金利の安い住宅ローンに外構費用を含めることができないケースもあるため、注意しなけばなりません。
なぜなら、家づくりと外構工事が別のものと金融機関に判断されてしまう可能性があるからです。
一般的に、引き渡し前にハウスメーカーや工務店に外構をまとめて依頼する場合は、外構費用も住宅ローンに組み込むことができます。
引き渡し後しばらく経ってから外構工事をする場合は、費用を現金で支払うか、金利が高いリフォームローンなどを組む必要があります。
ただし、住んでから外構工事をする場合でも、具体的な金額が記載された見積書などを金融機関に提出することで住宅ローンに組み込めるケースも。
いずれにせよ、外構費用を住宅ローンに含めたいなら、早めの段階から計画を立て始めてくださいね。
外構が後回しになる可能性がある
新居に住んでから外構工事をしようと考えている場合、引っ越しや入居後の暮らしが忙しくて、後回しになってしまうケースも少なくありません。
とりあえず住める状態なので外構の必要性が感じられず、庭が放置される可能性もあります。
外構をやっていない家は外観が残念に見えたり、土がぬかるんで歩きにくかったり、車が汚れたりするなどデメリットが多いです。
詳しくはこちらのコラムで紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
▷関連コラム:「外構をやっていない家」の理由と9つのデメリット|最低限すべき5つの工事も解説
住みながら外構工事をする場合の注意点
先ほど紹介したデメリットを踏まえて、住みながら外構工事をする際の注意点や対策を把握しておきましょう。
外構計画は建物とセットで進める
引き渡し後に外構工事をする場合でも、プランや見積もりはなるべく建物と同時に進めることをおすすめします。
理由は次の3つです。
- 予算オーバーを防ぎやすくなる
- 外構費用も住宅ローンを含められる可能性が高まる
- 外構に引く電気配線を事前に計画できる
建物と外構の計画を同時に進めておくことで、トータルの資金計画を立てることができるため、外構分の予算を確保することが可能です。
また、住みながら外構工事をする場合でも、外構工事の見積書などが手元にある状態なら住宅ローンに含められるケースもあります。
事前に外構で使う照明やインターホンの位置などが決まっていれば、建築時に屋外まで配線を引いておけるため、後から配線を引く工事が不要です。
多くのメリットがありますので、外構計画はなるべく早めに進めましょう。
外構工事期間を事前に確認する
住みながら外構工事をする予定なら、事前にどのくらいの期間がかかるのかを確認することも大切です。
具体的には、次のような内容を確認することをおすすめします。
- 引っ越し後の外構工事が何日ぐらいかかるのか
- 車はいつ・どれくらい停められないのか
- 大きな音がする工事はいつなのか
- 自宅にいた方が良いタイミングはあるのか
駐車場を借りる場合は、近くにあるのか、いくらかかるのかを確認しておくと安心です。
月極駐車場は都合よく数週間借りられないことがほとんどなので、コインパーキングになるケースが多いでしょう。
入居前に最低限の外構はやっておく
外構は住んでからと考えていても、入居前に最低限の外構はやっておくことをおすすめします。
具体的には次のような工事です。
- ポスト
- インターホン
- 駐車場
ポストが無いと郵便物や荷物などが、届かない可能性があります。
新生活は多くの物を購入するタイミングだと思いますので、配達物が届かないと不便ですし配達員にも迷惑をかけてしまいます。
門柱などを後から作る予定なら、インターホンは柱や板に仮留めしておいてもいいでしょう。
駐車場は砂利敷きにしておくと駐車がしやすく、泥のぬかるみによる車の汚れなども防ぐことができます。
具体的な生活をイメージし、生活に支障が出ないように最低限の外構工事を行っておいてくださいね。
まとめ
新築住宅に住みながらでも外構工事をすることは可能です。
実際に暮らすことで使い勝手や見え方などがリアルに分かり、よりこだわった外構に仕上げるられるなどのメリットがあります。
一方で、外構を後回しにすることで予算不足になってしまったり、先延ばしにしすぎて結局庭が放置されたりする可能性も。
外構費用を住宅ローンに含めることができず、金利が高いリフォームローンを組んで損をするケースもあります。
住みながら外構工事をする場合でも、建物の打合せと同時並行で計画を立て、予算や時期を明確にしておきましょう。
ハグデザインは設計事務所でありながら、外構・エクステリアのご提案まで行っている会社です。
一級建築士が敷地を最大限に活かす建物・外構のプランニングをしますので、ぜひお気軽にご相談くださいね。