注文住宅を建てるなら、併せて計画したいのが外構です。
しかし、家づくりは計画的に進めていても、外構のことは後回しにしてしまうというご家庭も少なくないようです。
外構をすべきタイミングや依頼先が曖昧などの理由が、後回しにしてしまう原因として挙げられのではないでしょうか。
そこで今回は、注文住宅の外構工事に役立つ基礎知識を紹介します。
外構の内容や費用、依頼先やおしゃれに仕上げるコツなどをお伝えしますので、家づくりをしている方に外構について考えるきっかけになれば幸いです。
<コラムのポイント>
- 注文住宅の外構は、デザイン性・防犯性・安全性・メンテナンス性の向上など、さまざまな役割を果たします。
- 外構の費用相場は100~300万円と幅があるため、広さや希望する内容に合わせて予算取りをすることが大切です。
- 注文住宅と外構をトータルコーディネートしてくれる住宅会社に依頼することをおすすめします。
注文住宅の外構とは?
注文住宅で採用される外構の範囲や役割を確認しましょう。
外構の範囲
注文住宅で採用されることが多い外構を紹介します。
門扉・ポスト・インターホン・表札 | 郵便物の配達時や来客時に使う。 ポスト・インターホン・表札をまとめた機能門柱が人気。 |
ブロック塀・フェンス | 敷地の境界を囲う。 視界を遮る目隠しフェンスなら、プライバシーが守られる。 |
アプローチ | 道路から玄関をつなぐ道になる部分。 レンガ・枕木・コンクリート・石などで仕上げる。 |
カーポート・駐車場 | 駐車スペースはコンクリート仕上げが人気。 カーポートを付けることで雨や汚れを防ぐことができる。 |
庭 | 芝や砂利で仕上げられることが多い。 家庭菜園を楽しめるようにするご家庭もある。 |
ウッドデッキ・テラス | 室内とつながるデッキやテラスを作ることで、暮らしの幅が広がる。 ウッドデッキは樹脂製を選ぶとメンテナンスしやすい。 |
照明 | 建物やアプローチ、門柱を照らす照明を付けると、安全性やデザイン性が高まる。 |
植栽 | 季節感を感じられる外観にしたいなら、花が咲いたり紅葉したりする樹種がおすすめ。 |
一般的な注文住宅では、上記のような構造物が外構に含まれます。
全て採用する必要はありませんので、敷地の使い方や広さに合わせた外構を取り入れましょう。
外構とエクステリアは何が違う?
外構とエクステリアは似たような意味を持つ言葉です。
- 外構:建物以外の構造物
- エクステリア:室外空間全体を指す言葉
厳密に言うと、エクステリアの中に外構も含まれています。
ただし、一般的には外構もエクステリアも同じ意味で使われることが多いです。
外構の役割
外構にはさまざまな役割があります。
デザイン性の向上
外構は外観に占める割合が大きいため、デザインイメージやクオリティを大きく左右します。
建物のテイストに合った外構デザインを採用しましょう。
防犯性やプライバシー性の向上
フェンスや植栽で目隠しを作ることで、覗き防止に役立ちます。
また、敷地をブロックフェンスで囲んだりガレージを作ったりすることで、いたずらや盗難防止などにつながります。
敷地のメンテナンスが楽になる
コンクリート敷きや防草シートを採用することで、雑草の手入れが最小限になります。
砂利を敷けば建物や車への泥ハネ防止にもつながります。
自動車や自転車などの保管場所
専用の駐車スペースを作ることで、出し入れが楽になります。
カーポートやガレージを採用することで、より安全かつきれいに保管することが可能です。
安全性を高める
庭の周りをブロックフェンスで囲むことで、子供やペットの飛び出しを防止できます。
玄関周りに手すりやスロープを設置することで転倒防止にもつながります。
屋外で過ごす時間の充実
庭を芝で仕上げることで、お子様が遊んだり愛犬がドッグランとして使ったりできます。
他にも、家庭菜園やBBQができるスペースを作ることで、活動の幅が広がってお家時間が充実するでしょう。
注文住宅の外構の種類
注文住宅の外構は、大きく分けると次の3種類です。
- オープン外構
- クローズ外構
- セミクローズ外構
それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介します。
敷地の形状や使い方、周辺環境に合わせて外構のスタイルを決めましょう。
①オープン外構
<施工事例:群馬県太田市新築注文住宅|1LDK、吹抜とロフトのある家>
オープン外構とは、道路との境界を塀などで囲わない外構スタイルです。
開放感があり価格も抑えられますが、目隠しや防犯対策がしにくい点がデメリットです。
②クローズ外構
クローズ(クローズド)外構とは、敷地全体を塀やフェンスで囲む外構スタイルです。
プライバシーや安全性は確保しやすいですが、圧迫感が生まれたり車の出し入れが手間になる面もあります。
③セミクローズ外構
<施工事例:群馬県伊勢崎市新築注文住宅|バイクと映画鑑賞のガレージハウス>
セミクローズ外構とは、必要な部分だけを塀などで囲む外構スタイルです。
庭などの安全性やプライバシー面を向上させたい場所はクローズで、駐車スペース周りはオープンにするなど、使い方に合わせて設計します。
注文住宅の外構工事はどこに頼む?
注文住宅の外構工事のどこに頼むべきなのでしょうか。
それぞれメリット・デメリットを解説しますので、状況や目的に合わせて選びましょう。
注文住宅を建てるハウスメーカーや工務店
注文住宅を建てるハウスメーカーや工務店では、外構工事も請け負ってくれるケースが多いです。
【メリット】
- 窓口が1つなので負担が少ない
- 建物と外構をトータルコーディネートできる
- 外構工事が完了してから引き渡される
- 外構工事も金利が低い住宅ローンに組み込める
外構業者をわざわざ探したり、打合せ場所へ出向いたりする必要がないため、負担がかかりません。
また、住宅会社なら建物の仕様を熟知しているため、外観デザインに合わせた提案をしてくれます。
住宅会社に依頼すれば、外構まで完了してから引き渡されるため、入居時には駐車しやすい状態が整っています。
さらに、外構工事も建物・土地と同じ住宅ローンへ組み込めるため、低金利で借入が可能です。
【デメリット】
- 外構が得意ではない会社もある
- 費用が高くなることもある
外構の受注が少ない住宅会社の場合、外注に設計・施工を丸投げするケースがほとんどなので、要望がプランに上手く反映されない可能性があります。
また、外構業者に直接依頼するよりも費用が高くなる事例も少なくありません。
ただし、外構も含めたトータルコーディネートが得意な住宅会社もあり、その場合はデメリットにはなり得ません。
ハグデザインでは自社で外構の設計を行っており、建物に合わせた外構デザインやガレージ・アウトドアリビングのご提案なども得意としております。
外構にもこだわりたいという方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
外構専門業者やリフォーム会社
外構専門業者やリフォーム会社に外構工事を依頼する方法もあります。
【メリット】
- 建物が完成してからじっくりプランをつくれる
- 好みや予算に合わせて依頼先を選べる
注文住宅本体とは別になるため、工事を始めるタイミングや依頼先を選ぶことができます。
入居後に貯蓄をしてから外構工事をするなどの計画を立てる方も少なくありません。
また、時間があるため、複数の外構業者を比較して相見積もりすることも可能です。
ただし、値段だけを優先して格安業者を選ぶと不具合が出たり、後悔したりするリスクもあるため注意しましょう。
【デメリット】
- 外構が完成するまで時間がかかる
- 予算オーバーのリスクがある
- 思ったように仕上がらない可能性がある
入居後に外構計画を立てると、完成まで1ヶ月以上かかることがほとんどです。
それまでは泥はねで車や家が汚れたり、転んでけがをしたりするリスクもあり、生活しにくい期間があります。
新居に住みながら外構工事をすると騒音が気になる場合もあり、車の出入りもしにくくて不便です。
特に、土間コンクリート打設後は車を1週間前後は置くことができず、別途駐車場を借りる手間と費用も掛かります。
また、見積もりを取ると思ったより費用がかかり、元々予定していた外構の予算をオーバーする可能性も。
地面の浅い場所に配管や排水桝などがあり、思ったような外構を作れないケースもあるため注意が必要です。
注文住宅の外構費用相場は?
注文住宅の外構費用は、本体価格の10%前後になることが多いと言われています。
具体的には100~300万円の費用をかける人が多いようです。
ただし、外構工事は一軒ごとのオーダーメイドなので、敷地面積やプラン内容によって費用は大きく変動します。
外構に詳しくない住宅会社の場合、外構費用を概算で予算取りしているケースもあるため注意が必要です。
例えば、同じ面積でも駐車場を土間コンクリート・インターロッキング・石張りどれにするかで、材料費や工事費が変わってきます。
ウッドデッキやカーポートなども、大きさやデザインなどで金額が大きく変わるため、単品の費用相場をチェックしてもあまりあてにならないでしょう。
相場はあくまで目安として考えてください。
そして、注文住宅の打合せや見積もりと同時並行で、外構計画も進めることをおすすめします。
注文住宅のおしゃれな外構づくりのコツ
注文住宅の外構をおしゃれに仕上げるコツを紹介します。
外観全体を1つのテイストに統一する
<施工事例:群馬県高崎市外構工事|ライティングで魅せるこだわりのデザイン>
建物と外構をテイストを統一することで、クオリティの高いおしゃれな外構になります。
外構も得意なハウスメーカーに相談することで、より質の高い提案を受けることができるでしょう。
外構工事は入居後にやる場合でも、計画自体は進めておくことをおすすめします。
費用バランスを考える
外構は注文住宅と同じオーダーメイドなので、全てにこだわれば予算オーバーするケースも少なくありません。
こだわるべき箇所や価格を抑えるべき箇所を考え、全体のバランスを取ることが大切です。
例えば、外観全体のデザイン性を重視するなら、門柱やアプローチ、フェンスなど目立つ場所に費用をかけたほうが見栄えが良くなるでしょう。
逆に、家の中からの眺めやお庭での過ごし方を重視するなら、芝生やウッドデッキなどに費用をかけたほうが満足できるかもしれません。
費用をかける場所のバランスを考えながら、満足のいく外構に仕上げましょう。
生活感を隠す
おしゃれな外観にしたいなら、生活感を隠すことがポイントです。
エアコンの室外機や物置などの設備機器を隠せるようにしましょう。
また、平屋なら洗濯物などが丸見えになるケースも多いですので、目隠しフェンスなどを活用することをおすすめします。
照明を上手く使う
夕方から夜間の外観デザインは、照明の活用によって大きく印象が変わります。
門扉や建物、お庭をライトアップすることで、日中とは異なる雰囲気のある外観デザインに。
スポットライトや足元灯を活用した、照明計画を立てましょう。
建物の配線計画時に、屋外用電源も採用しておくことをおすすめします。
テイストに合う植栽を配置する
シンボルツリーや花壇など、植栽をコーディネートすることでデザイン性がアップします。
シンプルモダンなら線の細いスタイリッシュな植栽、ナチュラルテイストなら可愛らしい花壇など、建物や外構のテイストに合わせて選ぶことでデザイン性が高まります。
素材にこだわる
<施工事例:群馬県前橋市外構工事|照明と門柱のおしゃれな調和>
外構も建物と同じように、素材選びにこだわることが大切です。
同じレイアウトの外構でも、素材によって印象は大きく変わります。
例えば、スタイリッシュならブロック塀やモルタル壁、ナチュラルスタイルならなど、塀1つの素材だけでも与えるイメージは異なります。
目につきやすいアプローチも、土間コンクリート・レンガ・タイル・芝生など、素材や仕上げ方法にこだわってみてくださいね。
メンテナンス性を考える
外構は雨風にさらされる中で数十年使うため、メンテナンス性も考えて選びましょう。
例えば、レンガはエイジングが魅力ですが、人によっては汚れと感じることもありますし、掃除するのが大変です。
ウッドデッキも天然木は定期的に塗装しないと腐ってしまいますので、耐久性・耐水性のある樹脂の方がメンテナンス性は優れています。
掃除しやすさ、植栽の落葉など、実際の暮らしを想定してメンテナンス性もチェックすることが大切です。
土地の特徴を活かす
おしゃれで使いやすい外構にするなら土地の特徴を活かすことがポイントです。
土地の形や日当たり、周囲の風景などの考慮して外構計画を立てましょう。
逆に言えば、土地を買って注文住宅を建てるなら、土地探しの段階から理想の建物・外構が採用できる敷地を探すべきです。
土地探しから注文住宅づくり、外構計画までワンストップで頼めるハウスメーカーに、お任せすることをおすすめします。
まとめ
注文住宅をよりおしゃれに、そして暮らしやすくするためには外構にもこだわりましょう。
建物の打合せと同時並行で外構計画も進めることが、予算オーバーせずに後悔しない外構に仕上げるポイントです。
広さや工事内容によって費用は大きく変動しますので、建物と外構をトータル的に提案してくれる会社をおすすめします。
暮らし方や建物に合わせた外構計画を立て、マイホームの満足度をより高めてくださいね。
ハグデザインでは、素敵な家に素敵な外構を提案することを得意としています。
一級建築士が、注文住宅からエクステリア設計までトータルコーディネートしております。
外構によって建物を魅力的にしたい方、マイホームの敷地を有効的に使いたい方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。