HEMS機器を新築する際に導入するか迷いますよね。
家庭内のエネルギー量を見える化できるHEMSは、住まいの省エネ性や快適性を高めることができますが、詳しい仕組みや必要な機器が分からないという方も多いはずです。
そこで今回は、HEMSに必須な機器と一緒に導入したいおすすめの設備・家電をご紹介します。
HEMSの基礎知識や導入時に利用できる補助金制度、いらないと言われる理由も解説しますので、検討中の方はぜひ参考にしてみてくださいね。
<コラムのポイント>
- HEMSの導入で、住宅のエネルギーを見える化して管理することが可能です。
- 分電盤やコントローラーなど必須の機器と、HEMS対応におすすめな設備・家電をご紹介します。
- 「HEMSの導入+GX志向型住宅」で160万円の補助金が受け取れる可能性があるため、お得に省エネ性の高い建物を建てたいならぜひ検討しましょう。
Contents
HEMSとは|3つのできることを紹介
HEMSは「ヘムス」と読み、Home Energy Management System(住宅用エネルギー管理システム)の略語です。
その名の通り、HEMSは住宅のエネルギーを見える化して管理する役割を持ちます。
2030年までにHEMSを85%の世帯に普及させることが、日本政府の目標です。
HEMS住宅を導入することで、できるようになる3つのことをご紹介します。
①使用しているエネルギー量を「可視化」できる
HEMSの分電盤には、電力測定ユニットがついています。
そのため、電気設備や家電のエネルギー使用量を計測して「可視化」させることが可能です。
エネルギー消費量をご自身で確認できると、家電の使用量やエアコンの設定温度などを調整しやすくなり、節電の意識が高まります。
②家全体の電気量を把握して「管理」してくれる
HEMSでは、機器自体が自動でエネルギー消費量を管理してくれる機能を持つものもあります。
例えば、事前に電気使用量の目標値を設定しておくと、自動で空調設備や家電の運転を調整してくれる機能などです。
ご自身では細かな管理が苦手な方でも、HEMSがあればご家庭のエネルギー消費を削減するためのサポートをしてくれます。
③スマートフォンなどで対応家電を「遠隔操作」できる
HEMSに対応している家電や設備なら、スマートフォンなどのタブレットで機器を遠隔操作できます。
例えば、電気代が安い深夜電力を使って電気自動車を充電できるように、予約しておくことが可能です。
また、帰宅前にエアコンを点けたりお風呂を沸かしたりするなど、エネルギー量削減だけでなく快適な環境づくりにも役立ちます。
HEMS導入に必須な機器
HEMS導入の際に必須な機器をご紹介します。
HEMS対応の住宅分電盤
使用電力量の計測ユニットがついたHEMS対応の住宅分電盤です。
分電盤の中に計測ユニットが内蔵されているタイプと、別途で計測ユニットを施工する2つのパターンがあります。
各回路ごとに電力量を計測できるものなど、グレードによって機能性が異なるため、内容や導入費用を見て選んでみてくださいね。
HEMSコントローラー
HEMSコントローラーは、計測された電力数値の可視化、設備・家電の管理や制御する装置です。
さらに、スマートフォンと連携して設備や家電の遠隔操作に対応するなど、役割は多岐に渡ります。
モニター付きのタイプもあり、画面上で確認・操作することが可能です。
モニターがないコントローラーでは、スマホなどを使ってアプリやブラウザ上で同様に管理することができます。
HEMS対応住宅におすすめしたい機器(重点8機器)
HEMS対応住宅を建てるなら「重点8機器」の採用をおすすめします。
「重点8機器」とは、政府がエネルギーに関連が深い家電や住宅設備として、HEMS対応住宅への導入を推奨している機器のことです。
【重点8機器】
- スマートメーター
- 太陽光発電システム
- 照明
- エアコン
- 給湯器
- EV/PHV
- 蓄電池
- 燃料電池
それぞれの内容やHEMSと連携させたときの使い勝手について解説します。
①スマートメーター
スマートメーターとは、電気使用量を自動で計測して、無線通信で電力会社にデータを送れる機器です。
2024年に普及率100%が目標のため、現在新築を建てると基本的にはスマートメーターが施工されます。
スマートメーターは30分ごとの電気使用量を計測しているため、HEMSと連動させることで細かな消費エネルギーを確認することが可能です。
②太陽光発電システム
太陽光発電システムとは、屋根などに太陽光パネルを搭載して、自家発電する機器のことです。
省エネ住宅において、太陽光発電システムは「創エネ」の機器として必須のアイテムと言っても過言ではありません。
HEMSと連携させることで、発電量・買電量・売電量をリアルタイムで確認することが可能です。
発電量が少ないときには使う家電を調整する、多いときには洗濯機や食洗機などをまとめて使うなど、ご自身の節電に対する意識向上につながります。
③LED照明
照明器具もHEMSと連携させることで、電気使用量を細かくチェックできるため、こまめに消すなどの節電意識が高まります。
また、スマホと接続させることでアプリで電気を点けたり消したりできるため、消し忘れを防ぐことが可能です。
メーカーによっては、電気使用量の目標値を超えると、自動的に明るさを調整してくれる機能もあります。
④エアコン
エアコンは、電気使用量に大きく影響する機器なので、HEMSによる管理によって大きな省エネ効果が得られます。
HEMSと連携させると使用量の可視化はもちろん、スマホを使ってオン・オフや温度調整などの遠隔操作が可能です。
エアコンを点けてから30分後に省エネ温度に自動で変更してくれる機器もあるため、ご自身で温度調整をしなくても室内が快適な状態に保たれます。
⑤給湯器
エコキュートなどの給湯器の沸き上げも、HEMSと連携させることでさらに省エネ化が期待できます。
一般的には電気代が安い夜間電力で給湯器の沸き上げを行いますが、HEMSは天気予報を自動で確認して、夜間か太陽光発電による余剰電力のどちらを使うべきか判断してくれます。
翌日の天気が晴れの場合、夜間は沸き上げずに、自家発電した電力のみを使用するため消費エネルギーの削減が可能です。
もちろんスマホのアプリなどと連動させて、外出時にお湯張りすることもできます。
⑥EV/PHV
EV・PHVとは電気自動車のことです。
HEMSがあれば、電気自動車の充電も給湯器と同様に、翌日の天気によって稼働する時間帯を調整してくれます。
翌日の天気が悪くて余剰電力量が期待できない場合は、夜間に充電してくれるため、急なお出かけでも困りません。
⑦蓄電池
蓄電池は、電気代の安い深夜電力や太陽光発電の余剰電力などを溜めておける機器のことです。
HEMSがあれば、天気に合わせて蓄電するタイミングを自動で調整してくれます。
また、買電量が多いタイミングでは、蓄電池内の電気を使うように切り替えるなどの設定も可能です。
HEMSと連携することで、より効率的にエネルギーを活用できるようになります。
⑧燃料電池
燃料電池とは、ガスの力で自家発電する「エネファーム」などの家庭用燃料電池のことです。
エネファームは、発電時の排熱でお湯をつくることができるため、エネルギー消費量を抑えることができます。
燃料電池も太陽光発電システムと同様に、HEMSと連携させることで発電量や使用量を細かくチェックすることが可能です。
HEMSを導入したスマートハウスはオール電化のイメージが強いですが、ガス・電気併用住宅にすることで次のような設備が採用できます。
- ガスコンロ
- ガス温水式床暖房
- ガス乾燥機
停電時にもエネファームがあれば、お湯を使うことができますので、ライフスタイルに合わせて検討してみましょう。
HEMS導入でもらえる補助金はあるのか
住宅省エネ2025キャンペーンで実施している「子育てグリーン住宅支援事業」では、HEMSを導入した住宅で補助金を受け取れる可能性があります。
子育てグリーン住宅支援事業では、省エネ性の高い「GX志向型住宅」・「長期優良住宅」・「ZEH水準住宅」に対して補助を行っています。
その内、GX志向型住宅に対する条件の1つに「HEMSの導入」があります。
つまり、GX志向型住宅の性能を確保した上でHEMSを導入すれば、160万円の補助金を受け取れる可能性があるということです。
GX志向型住宅の補助金については、こちらのコラムで詳しく解説しておりますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
▷関連コラム:「GX志向型住宅」の基準を分かりやすく解説|最大160万円もらえる補助金の条件も
▷関連ブログ:GX志向型住宅補助金に対するHEMSの採用について
他にも自治体独自の制度で、HEMSなどの機器に対する補助を行っているケースもありますので確認してみましょう。
「HEMSはいらない」と言われる理由
政府が2030年までに85%の世帯へ普及を目標としているHEMSですが、中には「いらない」との意見も見かけます。
実際に、環境省が2021年に行った調査では、2016年以降に建てた建物の約8%しかHEMSが利用されていません。
参考:HEMSについて | 家庭部門のCO2排出実態統計調査
HEMSはいらないと言われる原因として、次のような理由が推測できます。
- 導入費用がかかるから
- HEMSを導入しただけで電気代が安くなるわけではないから
- 周りの家も採用していないから必要なさそう‥
- HEMS対応の家電が多くないから
確かに、新築時のHEMS導入には10~20万円程度の費用がかかることが一般的であり、普及率も低いです。
とはいえ、今後は「子育てグリーン住宅支援事業」による補助金制度もあるため、普及率はこれまでよりも上がることが予想できます。
導入するご家庭が増えれば対応家電や設備も充実するので、HEMS導入住宅のメリットを感じやすくなるはずです。
今後の住まいのスタンダードになるHEMSを新築時に検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
HEMSを導入した住まいを建てることで、ご家庭内のエネルギー量を可視化し、管理することが可能になります。
ご自身で電気使用量が確認できれば節約の意識が上がりますし、HEMSの自動管理機能によって省エネをサポートしてもらうことが可能です。
GX志向型住宅にHEMSを導入すれば補助金の対象になりますので、採用する際は併せて検討してみてくださいね。
ハグデザインは、一級建築士によるお住まいになる方の暮らしを考えた提案をしております。
HEMSを導入したスマートハウスの実績も豊富で、GX志向型住宅の性能を満たす省エネ住宅を建築可能ですので、お気軽にご相談ください。