建物の中に駐車スペースが組み込まれた「ガレージハウス」は、3台分の駐車スペースをつくることが可能です。
しかし、3台分のビルトインガレージをつくるには、使い勝手や耐震性など様々な点を考えて間取りづくりをすることが重要です。
そこで今回は、3台分のガレージハウスの間取りで考えるべきポイントをご紹介します。
3台の車やバイクが停められるガレージハウスの間取りや施工実例も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
<コラムのポイント>
- 3台分のガレージハウスは多くの愛車を盗難・自然災害から守れる半面、間取りづくりの難易度が高まる面もあります。
- 使い勝手や居住スペースとのバランス、耐震性など様々なポイントを考えて3台分のガレージハウスの間取りを考えることが大切です。
- 3台分のガレージハウスを建てるなら、ビルトインガレージの施工実績が豊富な住宅会社に相談しましょう。
Contents
3台分のガレージハウスのメリット・デメリット
3台分のガレージハウスを採用するメリットとデメリットを確認しましょう。
メリット
3台分のガレージハウスには次のようなメリットがあります。
- 愛車を盗難や自然災害から守りやすくなる
- 広々としたガレージスペースを様々な用途で使える
- 車の増車・買い替えにも対応しやすい
- 家の中から複数の愛車を眺められる
車を3台所有していても1台分のガレージハウスしかないと、残り2台は屋外に駐車しなければならず、盗難や自然災害によるトラブルのリスクが高まります。
3台分のガレージハウスがあれば、すべての愛車を守りやすい環境づくりが可能です。
現在は車を1~2台しか所有していなくても、車3台分の広々としたビルトインガレージをつくることで、様々な方法で活用できます。
- 趣味スペース
- お子さまやペットが遊ぶスペース
- 家族のセカンドリビング
- BBQなどのアウトドアを楽しむ
- 物置代わりとして
ガレージスペースにゆとりを持たせておけば、大きな車への乗り換えや増車などにも対応しやすいです。
また、室内からたくさんの愛車を眺めることができることも、車好きの方にとってはうれしいポイントでしょう。
デメリット
3台分のガレージハウスをつくるデメリットをご紹介します。
- 広い敷地が必要になることがある
- 居住スペースが圧迫されるケースも
- 耐震性確保の難易度が上がる
- 建築費用が上がりやすい
3台分のガレージハウスをつくる場合、広い敷地が必要になることがあります。
ビルトインガレージの他に、屋外にも駐車スペースをつくる場合などは、敷地内に収まるか事前にしっかり検討しましょう。
また、3台分のガレージハウスをつくったら、リビングが狭くなってしまったり水回りが2階になったりして、不便に感じるケースもあります。
ビルトインガレージの利便性と居住スペースの暮らしやすさの両方を考え、それぞれの配置や広さを決めることが大切です。
また、大空間をつくる必要がある3台分のガレージハウスでは、耐震性の確保が難しく費用も割高になるケースも。
耐震性は壁の位置や量、構造などで対応できますので、複数台のビルトインガレージの施工実績が豊富な住宅会社に相談することをおすすめします。
ガレージハウスのデメリットと具体的な対策は、こちらのコラムをご覧ください。
▷関連コラム:ビルトインガレージの後悔例と対策|音・費用・使い勝手など
3台分のガレージハウスで考えるべき間取りのポイント
3台分の愛車が停められるガレージハウスを建てるときに、考えるべき間取りのポイントをご紹介します。
①それぞれの車の使用頻度を考える
まずは、3台の愛車の使用頻度を考えましょう。
3台とも毎日使用し、乗り降りするタイミングもバラバラなら、すべての車を並列駐車できるようにした方が使い勝手が良くなります。
反対に、日常使いは2台だけで1台は使用頻度が低いなら、縦列駐車でも問題ないかもしれません。
3台が並列駐車できるガレージは、間取りや敷地によっては採用が難しい場合もあります。
シャッターを幅広にしたり、複数枚つける必要が出てきたりと、費用面でデメリットになることも。
2台は並列で1台は縦列など、ガレージの形を変形させることで理想の間取りに近づけやすいケースもあります。
絶対に並列が良いのか、縦列でも対応できそうなのかを初めに考え、敷地選びや間取りを検討しましょう。
②乗り降りしやすい幅を検討する
車3台分のガレージハウスをつくる場合、乗り降りするときにドアを隣の車にぶつけないような幅を確保することもポイントです。
隣の車とのスペースが最低60cmあれば、ドアを開けて乗り降りが可能と言われています。
しかし、ギリギリの幅だと乗り降りしにくくてストレスになりますし、スムーズな荷物の乗せ下ろしなども考えると少しゆとりがあると安心です。
また、フロントドア・リアドアだけでなくバッグドアを開け閉めするスペースも考えて、ガレージの奥行きを検討しましょう。
③駐車のしやすさを考慮する
3台の車それぞれの駐車のしやすさを考えましょう。
間取りによっては、シャッターから直進して駐車できるケースだけでなく、切り返しが必要になるスペースもあります。
また、両側が壁になっている駐車スペースは、圧迫感が出て停めにくいと感じる方もいれば目印になって停めやすいという方も。
車体サイズや運転技術の違いにより、駐車のしやすいスペースに停めるべき車は異なります。
家族で話し合ってそれぞれの車をどこに停めるかを検討し、ガレージのシャッターや壁の位置などを考えることがポイントです。
④耐震性は十分かを確認する
採用するガレージハウスはどのような工夫で耐震性を確保しているのか必ず確認しましょう。
3台分のガレージハウスは一般的に10坪を超える大空間が必要になるため、居住スペースのように短いスパンで柱や壁などを立てにくく、耐震性を確保することが難しいです。
ただし、次のような工夫でガレージハウスの耐震性を確保することができます。
- 車の駐車スペースの間に壁を立てる
- ガレージの形状を工夫して壁量を確保する
- 平屋にする
- ガレージ部を鉄骨造にする
上記以外にも、ガレージの耐震性を高める方法は多くあります。
詳しくはこちらのコラムでご紹介していますので、確認してみてくださいね。
▷関連コラム:ビルトインガレージは危ない?やめたほうがいいと言われる理由や対策を解説
⑤居室空間とのバランスを考える
3台分のビルトインガレージを採用すると、居室空間が圧迫される可能性がある点も注意が必要です。
ガレージスペースの広さを優先させた結果、居住空間がコンパクトになったり収納量が足りなくなったりするケースも。
愛車を守るガレージも大切なスペースですが、ご家族が生活する居住空間の広さを確保することも、暮らしの質を高める上で重要なポイントです。
ガレージとそれ以外のスペースのバランスを考えながら、間取りを検討してみくださいね。
⑥それぞれの車からの動線を意識する
3台の愛車が停められるガレージハウスをつくるなら、それぞれの車からの動線を意識した間取りづくりをしましょう。
ガレージと室内をつなぐ便利な動線があっても、使用頻度の高い車からの距離が遠いと、使い勝手が悪くなります。
それぞれの車から使いやすいような動線を採用することがポイントです。
例えば、こちらの事例では、ガレージからキッチンと玄関ホールへつながる2つの動線があります。
食材の買い出しなどをする奥様の車は北側に、お子様の送迎が多いご主人様の車は南側に駐車することで、それぞれの動線が上手に活用できます。
こちらは車2台分の間取りですが、3台分のガレージハウスでも同様な工夫を取り入れることが可能です。
ライフスタイルに合わせた動線を取り入れて、ガレージハウスの利便性をさらに高めましょう。
⑦室内からの魅せ方を考える
3台分のガレージハウスをつくるなら、全部の愛車が室内から楽しめるような間取りもおすすめです。
室内に大きな窓をつけて見えるようにしたり、3台それぞれの車が楽しめる縦長の窓を並べても良いでしょう。
ガレージの複数箇所に室内窓を付ければ、リビングと玄関など様々な空間から愛車を眺めることもできます。
また、室内からの魅せ方にこだわりたいなら、ガレージのライティングにこだわることもポイントです。
愛車にスポットが当たるような照明の種類や配置を考えることで、美しいボディがさらに魅力的に輝きます。
日常の中でも愛車を楽しめるように、室内からの見え方を意識してみてくださいね。
3台分のガレージハウスの間取り図
3台分のガレージハウスを採用した間取りをご紹介し、広さや動線のポイントを解説します。
間取り① 車3台分・平屋・東玄関
東西に長い敷地に合わせ、平屋のガレージハウスをプランニングしました。
2台の車は並列、もう1台の車は奥に縦列するように、ガレージスペースをL字型にしています。
ガレージの一角には、ウッドデッキで仕上げた中庭をつくり、家族や友人とゆったりとくつろげるスペースに。
ガレージには家族専用の玄関をつくり、直接室内へ入れる動線を確保しました。
家族用玄関にも靴箱をつくることで、靴はもちろんカーケア用品や工具なども収納できるため、ガレージ周りをすっきりと整理整頓できます。
寝室を建物の1番西側に配置してガレージと遠ざけ、シャッターやエンジンなどの音問題を対策している点も間取りのポイントです。
間取り② 車1台バイク2台分・二階建て・南玄関
1F
2F
車1台とバイク2台を駐車できるビルトインガレージがある間取りです。
それぞれの車・バイクが出し入れしやすいように奥行きのあるガレージスペースにしました。
車の駐車スペースの奥には、工具などが置ける収納もあります。
リビングをL字で囲むようにガレージをつくることで、車とバイクの両方を室内から眺めることができるようにしたのも間取りのポイントです。
バイクの駐車スペースから直接玄関へ行けるようにして、暮らしやすさにもこだわりました。
その他のガレージハウスの間取りは、こちらのコラムからチェックしてみてくださいね。
▷関連コラム:【ガレージハウス】間取り図17選・おしゃれな実例を大公開|平屋・2台・3台も
【実例】3台分のおしゃれなガレージハウスをご紹介
3台分のガレージハウスを採用したおしゃれな施工実例をご紹介します。
車3台分のモダンなガレージハウス
車が3台駐車できるガレージハウスです。
内装はタイル壁や木目の天井、ネイビーの壁など、シンプルながら存在感のある素材でコーディネートしました。
ガレージ内にはミニ手洗いも採用し、帰宅時やメンテナンス後などにもすぐに手を洗えるようにしています。
室内側からの魅せ方もこだわりのポイントです。
ガレージと室内をつなぐ扉には、窓としての役割も果たすガラス戸を採用しました。
室内の内装をグレーでトータルコーディネートすることで、ガレージにある鮮やかな愛車のボディカラーが映えます。
外観はスタイリッシュなモダンテイストに仕上げました。
直線的なフォルムがスタイリッシュでホワイト×ブラックがかっこいい外観に、木目を取り入れて柔らかさをプラスしました。
バイク3台分の趣味も楽しめるガレージハウス
3台のバイクが駐車できるガレージハウスをご紹介します。
床は光沢度が高いドクターフロアでショールームのようなイメージにし、壁・天井はインパクトのあるヘリンボーン調を採用しました。
ドアやシャッターはブラックを採用し、空間にかっこよさをプラスしています。
ガレージの一角には趣味を楽しめるスペースをつくりました。
プロジェクターとスクリーンを完備して、趣味の映画を楽しめるぜいたくな空間に。
おひとりの時間をゆったりと過ごすのはもちろん、ご家族やご友人と楽しむのにも十分な広さです。
建物のホワイトとガレージ部分のブラックのコントラストが美しい外観です。
門扉やシャッターなどとガレージを一体化させ、防犯性・プライバシーも考慮しました。
まとめ
3台分のガレージハウスは、多くの愛車を建物内に保管できるという魅力がありますよね。
しかし、様々な間取りのポイントを押さえる必要があるため、施工実績が豊富な住宅会社に相談することが大切です。
広さや動線、室内からの魅せ方などにこだわって、ライフスタイルに合ったおしゃれで使いやすいガレージハウスを建てましょう。
ハグデザインは、ビルトインガレージの施工実績が多数あり、一級建築士によるお客様の暮らしを考えた空間提案をしております。
複数台の車が停められるガレージハウスのご提案も得意としておりますので、ぜひお気軽にご相談くださいね。