車を複数台所有しているご家庭では、2台分のガレージハウスを採用したいというご要望もあるかもしれません。
愛車が2台ともガレージ内に駐車できれば、盗難や天災から守れて安心ですよね。
しかし、2台分のインナーガレージは、1台分よりも間取りづくりや耐震性の確保などの難易度が高くなることも。
そこで今回は、2台分のガレージハウスを作る際のポイントや注意点を解説します。
おしゃれな実例も紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
<コラムのポイント>
- 2台分のガレージハウスは、複数の愛車を良い環境で駐車でき、ライフスタイルの変化にも対応しやすいなど様々なメリットがあります。
- 車を並列・縦列どちらのレイアウトで停めるのか、2台の愛車が駐車しやすい広さはどのくらいかを考えることがポイントです。
- 2台分のガレージハウスは耐震性の確保や敷地選びが重要になりますので、設計・施工に詳しい住宅会社や設計事務所に土地探しからサポートしてもらうことをおすすめします。
Contents
2台分のインナーガレージをつくるメリット
2台分のガレージハウスを作ることによるメリットを確認しましょう。
愛車を盗難や自然災害から守りやすい
ガレージハウスは、愛車を盗難や自然災害から守りやすい点がメリットです。
建物と同様に壁や天井で囲まれていて、出入り口がシャッターなっているインナーガレージは防犯性が高く、雨風の侵入を防ぐこともできます。
台風時などの飛来物からも愛車を守ることができるので安心です。
ご夫婦で車を持たれている場合などは、2台分のインナーガレージがあれば、おふたりの大切な愛車を守ることができます。
市街地でも駐車場を確保できる
コンパクトな敷地が多い市街地でも、1階をインナーガレージにして2~3階を居住スペースにすれば、駐車スペースを確保することができます。
敷地面積の関係で2台分の駐車場を確保するのが難しい場合、1台は月極駐車場を借りるなどの方法を取らなければならず、出費もかさみますし不便です。
建物の1階部分をインナーガレージにし、建築基準法で決められた建物面積の上限いっぱいに建てることで、2台分の駐車スペースが作れるケースも。
土地の広さよりも立地を優先したい場合などは、敷地を有効活用するガレージハウスを検討してみてくださいね。
ライフスタイルの変化に対応しやすい
2台分のインナーガレージがあれば、幅広いライフスタイルに対応できます。
今は車が1台のご家庭でも、ガレージスペースが広ければベビーカーや自転車なども置けますし、将来的に増車しても問題ありません。
他にも、ライフスタイルや家族構成によって、インナーガレージを次のように活用できます。
- 趣味スペース
- テレワーク
- お子様やペットの遊び場
- BBQ
インナーガレージは家族の生活音も気になりにくく、趣味や仕事に集中しやすい環境です。
お子様やペットが走り回っても道路に飛び出す危険がないため、安心して遊ばせておくこともできます。
また、将来ガレージを使わなくなったら、リフォームで1階を部屋やリビングにしてワンフロアで生活することも可能です。
このように、2台分のガレージスペースがあれば活用方法の選択肢が広がります。
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車2台分のガレージハウス実例
愛車を2台駐車できるガレージハウスを採用したお住まいです。
奥行きがある間取りにして、愛車を縦列で2台停められるようにしました。
ガレージ内は空調が完備されているので作業がしやすく、愛車にとっても適切な環境を整えるこも可能です。
タイヤ跡が付きにくいおしゃれなタイル床や、室内側からも愛車を眺められるような間取りなど、細部までこだわってプランニングしてガレージハウスです。
2台分のガレージハウスの間取りのポイント
2台分のガレージハウスを採用するときに、考えるべき間取りのポイントを紹介します。
使いやすい動線を考える
ガレージハウスを採用するときは、暮らしやすさを考えた動線をつくりましょう。
例えば、ガレージから直接玄関やシューズクロークにつながっていれば、出かけるときや帰宅時にスムーズです。
買い出した食材の運び入れを楽にしたいなら、ガレージの近くにキッチンやパントリーを配置することをおすすめします。
具体的な生活の流れをイメージし、居住スペースとのつながりを考えた動線を検討してみてくださいね。
停めやすい広さを確保
2台分のインナーガレージを作るなら、停めやすい広さを検討することが大切です。
ガレージに停める車の幅や奥行きによって、駐車に必要な広さは変わるため、設計士に車種を伝えてプランニングしてもらいましょう。
接している道路の幅や敷地の形状も駐車のしやすさに影響しますので、土地探しの際は意識してみてくださいね。
また、乗り降りをする際にドアを開けることを考慮して、ストレスのない広さを確保することも重要です。
幅が狭すぎるガレージでは、ドアを開けたときに隣の車や壁にぶつけてしまう可能性があります。
将来、大きな車に買い替える可能性もあるという場合は、ゆとりを持った広さのガレージにしておくと安心です。
駐車スペースのレイアウト
インナーガレージの駐車スペースは、「縦列駐車」と「並列駐車」の2パターンに分かれます。
車の使用頻度や敷地形状などに合わせて、適切なレイアウトを検討しましょう。
それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
縦列駐車 | 並列駐車 | |
---|---|---|
停め方 |
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メリット |
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デメリット |
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縦列駐車のガレージハウスがおすすめなのは次のような方です。
- 普段使いの車は1台で、もう1台は使用頻度が低い
- 比較的コンパクトなスペースで2台分のインナーガレージをつくりたい
- 今は車を1台しか所有しておらず、子供やペットの遊び場や趣味スペースとして使う予定
- 間口が割と狭い土地しか候補地がない
奥に駐車している車の使用頻度が多くないなら、縦列駐車でもストレスが少ないかもしれません。
ガレージ部分の間口がコンパクトになるため、比較的さまざまな敷地に対応しやすいです。
対して、並列駐車のガレージハウスは次のような方におすすめします。
- 2台とも使用頻度が高く、使うタイミングもバラバラ
- すでに2台車を所有していて、今後も1台になる予定はない
- 奥行きが割と狭い土地しか候補地がない
2台の車をほぼ毎日使うなら、並列駐車の方が使い勝手が良いでしょう。
自分が使うタイミングで車を自由に出し入れできるため、ストレスなく駐車をすることができます。
今と将来の生活スタイルを考え、敷地に合わせたレイアウトを選んでくださいね。
また、並列・縦列の希望があるなら、そのレイアウトが実現できる土地選びをすることが重要です。
おしゃれな内観デザイン
せっかく2台分の大型ガレージを作るなら、内観デザインや仕様にもこだわりましょう。
床や壁紙の素材やデザインを工夫したり、スポットライトや間接照明を採用したりすることで、おしゃれな空間に仕上げることができます。
シャッターの素材や開閉スピード、空調設備などの仕様にこだわってインナーガレージを作ることもポイントです。
居住スペースとガレージの間に大きな窓を付ければ、室内からも愛車を眺めることもできます。
実用性はもちろん、デザイン性や魅せ方にもこだわってガレージハウスをつくってみてくださいね。
2台分のガレージハウスの注意点
2台分のガレージハウスを採用するときに注意すべきことを解説します。
広めの敷地が必要になることも
2台分の車を停められるガレージハウスを作る場合、間取りによっては広めの敷地が必要です。
一般的に2台分のインナーガレージは10坪前後の面積なので、建物全体の面積が大きくなります。
また、壁に囲まれたインナーガレージは延床面積に含まれるため、容積率などの制限もシビアになる可能性も。
※容積率:敷地面積に占める延床面積の割合
ただし、インナーガレージは居住スペースの延床面積の1/5までは、容積率の対象から免除されることになっています。
延べ面積 建築物の各階の床面積の合計による。ただし、法第五十二条第一項に規定する延べ面積(建築物の容積率の最低限度に関する規制に係る当該容積率の算定の基礎となる延べ面積を除く。)には、次に掲げる建築物の部分の床面積を算入しない。イ 自動車車庫その他の専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設(誘導車路、操車場所及び乗降場を含む。)の用途に供する部分(第三項第一号及び第百三十七条の八において「自動車車庫等部分」という。)
第一項第四号ただし書の規定は、次の各号に掲げる建築物の部分の区分に応じ、当該敷地内の建築物の各階の床面積の合計(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、それらの建築物の各階の床面積の合計の和)に当該各号に定める割合を乗じて得た面積を限度として適用するものとする。一 自動車車庫等部分 五分の一
例えば、居住スペースの延床面積が35坪の場合、ガレージスペースの7坪までは容積率には含まれないということです。
ただし、2台分のインナーガレージにする場合は、面積が1/5を超えてしまうケースもありますので注意しましょう。
細かな条件をご自身で調べることは難しいため、インナーガレージの実績が多い住宅会社を選び、土地探しから相談することをおすすめします。
また、インナーガレージは一般的な坪単価よりも割高になるケースも少なくありません。
希望するガレージと居住スペースの広さを伝え、建物と土地の費用バランスが取れた資金計画を立てましょう。
居住スペースと駐車スペースのバランス
ガレージハウスを作るなら、居住スペースとガレージ部分の広さのバランスを考えることが大切です。
2台分のインナーガレージをつくる場合、予算や敷地面積によっては居住スペースが圧迫されることがあります。
長く過ごす居住スペースの広さを確保できないと暮らしにくいですが、ガレージが狭くて駐車しづらいのもストレスですよね、
居住スペースと駐車スペースのバランスを考えながら、間取りづくりをすることが重要です。
耐震性の確保が必要
インナーガレージをつくるなら、耐震性の確保が重要な課題です。
2台分の駐車スペースを作る場合、柱や壁がない広い空間が必要ですが、大空間は耐震性の確保が難しくなります。
特に並列駐車の場合、シャッターが付く部分の間口が広くなるため要注意です。
耐震性を確保するために、2台の駐車スペースの間に柱を立てることもありますが、使い勝手が悪くなるという問題点も。
一方で、柱なしで耐震性を確保する場合、補強が必要になったり木造だけでは対応できなかったりするケースもあり、費用がかかります。
2台分のガレージハウスを作るなら、どのような構造になるのか、耐震性は確保できるのかをしっかり確認しましょう。
建築費用が高くなる傾向がある
2台分のガレージハウスは建築費用が高くなりやすいことも知っておきたい注意点です。
先ほどお伝えした耐震性の確保の他にも、大開口のシャッターや床・壁の仕上げなどが要因で、インナーガレージは一般的な居住スペースよりも建築費用が割高になりやすいです。
木造住宅でも2台分のガレージハウスを建てることはできますが、平均的な坪単価よりは高くなる可能性が高いでしょう。
単純な坪単価で費用を計算するのではなく、ガレージ部分の建築費を考慮して予算組みを行ってくださいね。
2台分のガレージハウスは設計事務所がおすすめ
ここまで見てきたように、2台分のガレージハウスには様々な魅力がありますが、注意点も少なくありません。
注意点を解決するためには、これまでの実績を基にしたノウハウや高い設計力が求められます。
難易度の高い建物を扱うことも多く、1棟1棟オリジナリティある設計をしている「設計事務所」では、ガレージハウスなどの住まいも得意としている会社も多いです。
2台分のインナーガレージを採用したいなら、設計事務所を検討してみてもいいでしょう。
ハグデザインは一級建築士による、ガレージハウスのご提案を行っております。
車種や台数だけでなく、車への思いやガレージの使い方などもお伺いした上でプランニングしますので、ガレージハウスを建てたい方はぜひお気軽にご相談くださいね。