よく聞かれます!スマートハウスの定義
建物の設計をしている上で、防犯・震災 などの意識が高まってきているのを感じます。
HUG DESIGN の家は基本スマートハウスで 防犯・震災 に対応した家造りをしています。
ただ、スマートハウスって何??? と言われることもあり、少々説明をしたく思います。
1.スマートハウスについて。スマートハウスとは何なのか?
スマートハウスの定義は以下の通りです。
創エネ(太陽光発電)
畜エネ(蓄電池)V2H(EV用充放電機能)
省エネ(IoT・AI・HEMS)
全熱交換機・全館空調・全館調湿・全館正圧
ZEH住宅(ゼロエネルギー住宅)を基本とし、太陽光の電力を蓄電池や電気自動車に効率よく貯め、または使用しその上でIoTやAIの力を使用することにより電力の使用率を監視しすることで、家の中にある電力を消費する機器を最適に制御していきます。また高断熱や熱交換器にて室内で作られた熱を効率よく再利用することによって、さらに省エネにつなげていきます。
またレジリエンス性能をもつことも大切で、災害時にライフラインが停止した時でも蓄電池やEV車の電気を使用することで普段と変わらぬ生活ができる家を示します。
ほんの数年前までは、外部にあるライフラインを主とした家づくりが基本でしたが、太陽光・蓄電池・AI・空調システム・断熱素材の技術発展により、外部のライフラインに頼ることなく生活ができる家の設計が可能となってきました。
2.災害に強い家づくりのポイントは? →ガソリン満タン状態で、災害時12日間の給電が可能な車もある そこに対応できるのもスマートハウス
災害に強い家づくりは最低限以下の内容が必要です。
・5Kw/hほどの太陽光は最低限搭載すること。
・耐震等級3相当を確保すること。
震度7強の地震が発生しても崩壊しないこと。耐震等級1は震度5強(建築基準法の耐震性能を満たす水準)にて崩壊しない程だが、これほどの震度を繰り返すと損傷の可能性があるというものです。
・水を確保する
災害時に一番最初にライフラインの損傷を受けるのが水道です。数日間の水を確保することも必要ですが、常にきれいな水を入れ替えることができる水貯蔵タンクを確保することが必要です。本下水になると水を流すことはできなくなることがありますが、浄化槽の場合は水を流せる確率が高いので、貯水タンクを確保しておけば数日安心して生活することができます。
・自然エネルギーだけではなく確実な電力を確保する
太陽光などは天気に左右され発電できない時期も出てきます。電力供給の不安定な国は燃料による発電機の設置で安定電力の確保が行われていますが、今まで供給が安定していた日本では、その概念がありません。原発停止などにより、今の日本は災害が起きればすぐに電力供給がひっ迫し不安定になります。日本でそれを補う発電機は数少なく、もしあったとしても遠い存在にすぎません。ただしPHEVなどの自動車を利用することで、エンジンにて発電をしV2H「Vehicle to Home」を通して蓄えた電力を供給できる自動車が存在します。メーカー公称値では40リットルのガソリンにて家庭電力使い方で12日間生活が可能で、その間に焦ることなくライフラインの復活を待つことができます。
3.最新技術を取り入れた、最大限の省エネ性能を持った家を作るには?エネルギーを無駄に消費しないことも大切
最大限の省エネコストをもった家を作る方法は、経験豊富な設計士や住宅メーカーに依頼をすることが必要です。
最大限の設備を兼ね備えれば当然省エネ性能を確保できますが、頭打ちもあります。
例えば太陽光を沢山載せても2023年の売電価格は16円であり、設備投資に合う売電価格は確保できません。そのため、建築する家の大きさや家族の生活スタイルや人数などを加味し、電力を自家消費にて設備投資をすることが非常に大切です。
群馬県でバランスの良いスマートハウスを設計する際に私の場合は以下のような基本数字からスタートしていきます。
・断熱等級6(HETA20 G2)クラスを確保する場合は、まず床断熱ではなく基礎までを断熱する基礎断熱工法を採用し、熱交換器にて基礎下までお部屋と同じ温度を確保していきます。
・リビングには効率の良いエアコンを1台設置し、限りなくその1台で各部屋に空気がいきわたるようにパッシブ設計を行っていきます。
・太陽光は最低5kwほどで蓄電池は10kwほど。エコキュートは昼間沸かせるものでV2Hをつけるかは任意とするが、将来必要になった時点で大きな工事もせずに増設できるようにする。これで4人家族が住む太陽光の自家消費率100パーセントをギリギリ確保できると考える。
簡単に書きましたが、これらの内容が初回設計で提案されたときに凡そスマートハウスに長けている会社とみることができると思います。
またエネルギー計算がプラン提案ごとに計算されることが最低限必要であり、計算ができない会社などは、あえて避けたほうが良いと思います。スマートハウスはそれだけつくるのが難しいからなのです。
4.電力会社に頼らない=オフグリッド=エネルギー自給率100%の家づくり ライフラインから切り離し 自立した生活
住宅を電力会社から切り離すことが可能な時代がやってきます。4人家族のオール電化住宅で平均35kwが消費電力に値します。物語形式で説明すると9kwほどの太陽光を搭載すると、10kwほどの蓄電池を充電するのに晴天で3時間ほどを要します。エコキュートは4人家族の湯量を確保するのに1日平均3kwほどで、昼間に湯沸かしをします。晴天時の太陽光の発電量は平均40kwほどなので、その電力が蓄電できれば良いのです。しかし、消防法により家庭内における蓄電池容量は15kw未満なのでV2Hを通して電気自動車を併用しなくてはいけません。今日本で発売されているEV車は最大90kwを確保できるものが存在し、それらを連携することによって電力会社から切り離して生活をすることができます。ただし蓄電池とV2Hを併用して動かすパワーコンディショナーは日本で2社しか製造しておらず、これらの機器にたいして知識を持ち合わせた販売店や工務店と必ず検討してもらったほうが良いと思います。
ただし、電力会社と切り離すデメリットも存在することも理解が必要です。
オフグリットが可能なパワーコンディショナーは電力会社と切り離すと不安定な時もあり、安定した電力を受け取るには電力会社と連携することが必須です。仮想オフグリットがおすすめなのです。また、今後は大規模な電力会社に頼るのではなく、蓄電池や太陽光を持っている人々と繋がり自分たちが発電した電力を分け与えまたは分けてもらうような仕組み「仮想発電所 バーチャルパワープラント(VPP)」が今後広がりを見せていきます。
大きな設備投資をしなくてもAIの技術によって、再生可能エネルギーをグループ内でお互いに利用することができるようになってきます。今一般住宅ではVPPの取り組みは始まっていませんが、大きな工場や企業ではテスト段階で始まっています。