トルコ・シリアで発生した大地震から1週間が経過
この一週間色々な情報や、この悲惨な状況に関して色々と考えさせられるものが沢山あった。
私は建築士なので、建物の破損状況や崩壊状況をみて、国自信が根本的に安全対策を軽率に扱っている実情が今回の大きさ参事を招いたと思っている。
パンケーキクラッシュから見る建物の脆さ
一気に崩れるパンケーキクラッシュと言う現象。これは、高層建築にて柱が粉砕し床の部分が重なり合って崩れ落ちる現象を言う。今回トルコ・シリアの建物崩壊は、ほとんどがこの現象で崩壊している。
2018年には耐震基準を見直しているようだが、2020年に新築されている建物も同じような現象にて崩壊している。
何を意味しているのか?
結局は違法建築が横行していることが、このような状況を生んでいる。崩壊している建物を見るとあきらかに鉄筋の量が少ないのと、フープ筋と言われる鉄筋がほとんど見受けられない。正直、構造を見る限り建物に入ることさえ自殺行為のような状況である。
新しい耐震基準を定め許可を出しているようだが、それに満たないものはお金を上納すれば許可が通るという。もし日本でこのようなことがあれば、撤去命令または使用することを認められない。
そのお金を払えば逃れらる基準を、最近ではもっと緩和しようと言う話があったらしい。ゾッとする話である。
日本で同様なことがおきるのか?
このようなクラッシュがおこることは、日本では少ない。とくに近年の耐震基準に属したものであれば更に“無”に近い。
日本は、建物を設計する上で規模にもよるが第三者機関を交えた評価をし、耐震基準を満たしているかをチェックしている。
また、一定基準の規模や用途をもつ建物には改正耐震改修促進法を適用することによって対応を急いでいる。
ましてや、耐震に関して緩和規定は無い。
しかし、東日本大震災 など多くの住宅が崩壊し、建築確認上の4号特例廃止に向けた動きがある。これは、木造住宅でも構造計算評価をする枠を広める。
これは、将来日本において南海トラフなどの大地震が想定されており、今後の大惨事を食い止める動きがある。
安全かどうかを事前に知ることが必要
私が町を車で移動しているとき、危ない住宅を、ときたま見ることがある。共通して言えることは古いとかではなく、その家がどのように出来上がってきたかが必要で、壁にクラックが入っているとか瓦が落ちたとかそのような問題ではない。ようは、建築をしてからその土地にどれぐらい地震がきて、どのような精度でどのような許可をもとに建てられたか?である。また、基礎下の湿度なども大きく起因してくる場合もある。
一度壊れてしまえば、改修は不可能になるが、事前に調査をして自分の家がどのような状況なのかしることが一番大切である。
災害に強い群馬県伊勢崎市でも東日本大震災によって土地が3cm動いた
私の事務所がある群馬県伊勢崎市は災害に関してとても安心とされている場所であるが、建築をする際に測量をすると東日本大震災以前と後ではベンチマークより全体で3cm動いている。
安全と言われている場所でも、このような地盤変動がある。
パンケーキクラッシュをおこすような建物は多く存在するので、危ないと思った場合は近くの建築士に相談することをお勧めする。